GMイネ生産者ねっとNo.474

ニッポン消費者新聞記事

 

遺伝子組み換え作物商品化に「NO!」

消費者、農家数千人が抗議

危険性懸念、栽培試験結果公然に集会

 

 菜種やテンサイ、トウモロコシなど数種類の遺伝子組み換え(GM)作物が農場で試験栽培されてきた英国。その試験結果が公表されるのに先んじて、何千人もの農家と消費者がロンドンで抗議集会を開き、今後予想されるGM作物の商品化に異議を唱えた。

 

 農林水産省が『バーミンガム・ポスト』紙および『ディーリー・テレグラフ』、『ザ・スコッツマン』をもとにまとめたところによると、抗議集会の参加者は、現在行われている試験栽培では目的の対象があまりに絞られすぎている点と、商品化の認否を政府が決める上で必要な情報を十分に提供していない点に懸念を表明する声が強く上がったという。試験栽培では、使われる除草剤が環境に与える影響を、GM作物と非GM作物で比較している。

 

 これに加え参加者らは、特にバイエル・クロップ・サイエンス社がスコットランドの試験農場に、未承認の遺伝子物質を含有する種子を提供していた事実が明るみに出たことを受けて、これらの試験栽培が適正な仕組みで実施されていないと強調しているという。GM作物の反対運動を展開する国際的環境保護団体「大地の友」の代表者は、「未承認種子の供給というバイエルの行為は、バイオ技術企業に対する信頼の低下を招く以外の何物でもないと同時に、GM作物の商品化が危険であることを明確に示している」との考えを述べた。

 

 この抗議集会の中で環境・食料・農村地域省(GEFRA)が報告した自らの調査結果から、試験栽培場から16マイル(約26Km)ほど離れた農場の非GM菜種が一部のGM菜種に汚染されていることも判明している。

 

 業界観測筋の中には、「試験栽培の結果が公表されれば、GM菜種とGMテンサイに使われる除草剤は、非GM作物に使われるそれよりも有害な影響を環境に与えることがわかる」と見る向きもある一方で、GMトウモロコシに関しては、使用される除草剤は環境に有害な影響を及ぼす度合いが少ないという、GM作物の商品化に有利な結果が出る可能性もあるという。

 

 

 

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