GMイネ生産者ねっとNo.467

2003年11月10日

農業情報研究所

 

米国、豪との自由貿易協定交渉でGM表示法変更を要求

 

AAP(11月6日)が伝えるところによると、オーストラリアの遺伝子組み換え(GM)食品表示に関する法律が自由貿易協定(FTA)交渉における米国の標的になっている。ヴェイル貿易相が労働党議員との質疑のなかで明らかにした。

 

オーストラリア法では1%以上のGM成分を含む食品には表示が義務付けられているが、米国では表示は任意である。

 

貿易相は、米国の要求に応えて表示法を変えるかどうかについては答えを避けた。しかし、オーストラリアの法は合法的であり、「政府の立場は、GM食品の義務的表示はWTOの下での我々の義務と調和する」と語った。

 

2003年11月11日

農業情報研究所

 

EU、GMO新規承認モラトリアム解除に関する決定を延期

 

11月10日、EUの食物連鎖動物保健常設委員会は、1998年以来のGMO新規承認の事実上の「モラトリアム」の解除にかかわる決定を12月まで先延ばしした。この日、欧州委員会による遺伝子組み換え(GM)スウィートコーンの販売承認の提案が承認される見通しであったが、会議を蓋を開けると様々な異論が続出、投票は12月半ばへの延期を余儀なくされた。

 

このコーンは、シンジェンタ社が承認申請していた害虫及び除草剤(グルフォサート・アンモニウム)耐性の人間食料用スウィートコーン(Bt 11)で、米国では既に承認され、ポップコーンなどに利用されている。この日の会合で特に問題にされたのは承認のタイミングであったという。新たなGMO表示・トレーサビリティー規則が発効するのは来年4月であるから、今承認すればGMOの追跡に問題が生じるということのようだ。欧州委員会が承認のための規則を修正すると発表したが、修正は「技術的」なものだという。

 

この決定にかかわる常設委員会はEU15ヵ国の各国専門家で構成され、決定は多数決で行われる。イギリスなど多数の国が欧州委員会提案を支持すると見られていた。来月には欧州委員会の修正案が通る可能性はある。そこでも承認が否決されれば、最終決定は閣僚理事会による特定多数決に委ねられる。この場合には、決定はさらに数ヵ月延びることになる。

 

 

 

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