反GMイネ生産者ねっとNo.458
ビジョン21、安田節子さんが食品安全委員会の「遺伝子組み換え食品についてご意見を聴く会」に出席、述べた意見(03年10月24日)
以下、本文
遺伝子組み換え食品の安全性を判断するための基準案作成への意見
安田節子
(食政策センター ビジョン21代表・日本有機農業研究会理事)
1.日本は遺伝子組み換え作物の世界最大の輸入国であり、消費者の不安は強い。安全性評価にあたってはまず「予防原則」に立ち、慎重な評価を行う姿勢を明記されたい。
2.そのためには広くリスク情報・新たな知見をいち早く収集する責務を明記し、重要とおもわれる知見については国の機関において追試を行うことができるシステムを構築するべき。(これまでは開発研究に偏っている)
3.認可後の組み換え品種の再評価システム構築が必須。手順を明記すべき。
4.安全性評価基準について
<組み換え作物>
@挿入遺伝子が作るタンパク質のアレルギー性の有無
当該の「組み換え作物そのもの」でアレルギー性の有無をみるべき。
挿入遺伝子が作るタンパク質(当該作物のではなく、組み換え微生物につくらせたもので行っている)を人工胃液・腸液や加熱での分解をみるのでは正しくアレルギー性評価をしたことにならない。(アレルギー専門医、タンパク質10%くらい未分解で吸収)
Aマーカーの「抗生物質耐性遺伝子」使用を認めないこと(腸内微生物への移行リスク)
<組み換え微生物>
@目的以外のタンパク質を発現させる可能性の有無
「意図しない転写産物が生じていた場合」は認可すべきではない
A生産物について不純物の含有量の増加の比較だけではなく、「不純物の成分」比較が重要
<組み換え種子植物の場合>
実質的同等の評価基準では認められないもの。特定の成分が(有意な量)あらたに付加されることを目的にしており、成分構成が従来とは異なるということ(例:高オレイン酸大豆、インシュリン生成イネなど)これの評価は最低限、「長期の動物での給餌実験」、「ヒトでの臨床試験」などが不可欠。
(環境影響では重大な間題があるがここではふれない)
以上、本文
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安田氏のほかの、発言者は以下のとおり。
・日本子孫基金 遠藤諭子
・NPO日本国際生命科学協会 笠井美恵子
・日本モンサント社バイオ規制・環境部 柏原洋司
・ヤクルト本社中央研究所 久代明
・名古屋大学理学部(配信済み) 河田昌東
・生活クラブ生協 和田安稀代
・農業生物資源研究所 田部井豊
・遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン 名和雪子
ほかに食品安全委員会からは17名の出席がありました。
各氏の発言内容は、順次配信します。