反GMイネ生産者ねっとNo.419
遺伝子組み換え作物いらない!茨城ネットワークより
地域、県民、国民、農業関係者、
消費者、県、農水省、警察のみなさんへ!
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7月26日の遺伝子汚染拡大防止措置に至る経緯と
今後の至急の措置対策について
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■日本においてはじめて、とりわけ納豆小粒や青大豆などの在来種を大切に守り代々受け継いで栽培されてきたここ茨城の地において、わたしたちは「モンサント」という多国籍企業が開発した「除草剤耐性の遺伝子組み換え大豆」が谷和原村の一般ほ場においてすでに7月21日前に開花していたことを知りました。
以後、栽培当事者である「バイオ作物懇話会」(代表/長友勝利氏・宮崎県在住)、土地を貸した地主さん(谷和原村)に、「周辺への交雑がおき在来の種に遺伝子汚染の恐れがあるので、”開花前に刈り取る”とした県などへの報告どおり、すぐに刈り取っていただけるよう」再々にわたってお願いをいたしました。また農水省にも出向き、わたしたちといっしょに栽培者にお願いをしてもらえるよう要請をおこないました。
しかし、「バイオ作物懇話会」からの返事は、「開花ごろまでにと言った」、最後には「開花前に刈り取るとは約束していない。今年は枝豆まで実験する」という変化を見せました。すでに播種後に県に報告(「情報提供したまで」と言われます)に行った農水省の外郭団体STAFFの理事に至っては、「約束をした覚えはない。私達が言ったことを県が誤解したのだろう」と言う始末でした。
■目の前で開花がはじまり花粉の飛散や虫による媒介がはじまってすでに一週間。緊急の措置として図面を含む具体的な「花粉の飛散防止措置」を示してギリギリまでお願いをいたしましたが「飛散防止措置はする必要がない」との返事に至り、農業者を含む私達の構成員がやむなく「緊急避難措置」として刈り取りをいたしました。
このまま花粉の飛散が続いたときどうなったか考えてみてください。遺伝子伝搬による種の遺伝子汚染は、いちど汚染されたらその種子から限りなく汚染の連鎖が拡大されていったはず(核分裂とおなじです)。茨城の大豆や納豆は「遺伝子汚染されている可能性がある」として再び社会経済的損失を被ったに違いありません。こうなってからではとりかえしがつかなかったはずです。
東海村JCO事故ではありませんが、目の前で花粉飛散による交雑が臨界点に達しようとしているとき、そのことを知った人間が身の危険を冒して事故を止めた行為は、本来「功労者」「協力者」とされなければなりません。ところが今、警察はその行為者を「犯人」として挙げようとしています。
■農水省は昨年11月、各県ならびにモンサント社に対して、「一般ほ場で栽培される以上、万が一でも周辺の非組み換え大豆との交雑や収穫物の混入といったことが起これば、生産・流通上の混乱を招かないとも限りません。」したがって、「安全性確認後の試験的栽培であっても、栽培にあたっては事前に周辺地域、住民の理解を十分得るとともに、栽培地が属する都道府県の大豆の生産流通担当部局、JA等の関係者に事前に栽培に関する情報提供を行うことが必要であることを周知徹底し」「生産・流通上の混乱を招かないための交雑・混入防止等の措置について十分徹底した頂きますようお願い」する通知を出しています。
この「事件」をマスコミは「無断で」などと報じていますが、周辺農家や住民はここで遺伝子組み換え大豆が栽培されていることを知らされておらず、県にも栽培者本人が報告にも行っていない、農水省STAFFから情報提供があったのはすでに種を播いた後であったこと、栽培地は農地法にもとづく農業委員会への申請もされていないという「無断」行為を重ねていました。 わたしたちは、夜討ちをしたわけでもなく、当該「バイオ作物懇話会」の代表と地主へギリギリまでお願いをし続け、「花粉飛散防止措置」をとることへの地主の了解を得、その措置の方法についての選択肢も断った上で刈り取りをおこないました。
花粉飛散防止の緊急避難措置をした私達の構成員が「犯人」にしたてあげられようとしているとき、今に至って農水省は「すきこんで、土地はビニールシートで覆いをするつもりだったのに」などと言ってきました。彼らは汚染の危険性、社会的・自然的影響を知っているかのような発言です。
■わたしたちは、「26日の執行は地域への汚染の拡大をくい止めた措置である」ことを明らかにするとともに、すでに花粉が飛散しはじめて1週間放置されたことから、農水省はその責任において、直ちに当該土地をビニールで覆い、汚染区域として封鎖した上で、組み換え遺伝子の挙動、周辺の汚染状況の調査、ならびに他感物質(アレロパシー物質)などの植物生態系への調査を至急行うことを求めます。
水海道警察は、この問題がこうした経緯と社会的な問題を含んでいる以上、私達への捜査ではなく、当該「バイオ作物懇話会」の社会的無断行為、農地法違反行為、農水省の不作為行為を捜査することを求めます。
なお、わたしたちは、善後策について、バイオ作物懇話会、地主さん、わたしたち、谷和原村、茨城県、全農いばらき、農水省、日本モンサント社が同席して経緯の確認と事後処理についての「協議の場」を設けて頂けるよう農水省にお願いいたしました。農水省がやりにくい場合は、わたしたちから呼びかけて社会的な責任を最後まで全うすることもお伝えしてあります。
2003年7月29日
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組み換え遺伝子汚染についての緊急全国集会
(経過とその処理の合意作業、事後緊急対策・調査について)
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日時 8月3日(日)午後1時〜
主催 「遺伝子組み換え作物いらない!茨城ネットワーク」
場所 スターツ総合研修センター体育館
(茨城県筑波郡谷和原村絹の台4-2-1 )
内容
1.
バイオ作物懇話会、農水省、STAFF、日本モンサント社、茨城県、谷和原村、全農、水海道警察署などをお呼びして、経緯の確認と、事後の緊急措置について確認をしたいと思います。
2.今回の事態から何を教訓にできるか、今後遺伝子組み換え作物の国内栽培に対する国民的な議論と判断づくりに向けての討議
2.
その他
主催 「遺伝子組み換え作物いらない!茨城ネットワーク」
つくば環境と人権のための市民会議
代 表 中島 スミ子
八郷町農業協同組合(JAやさと)
組合長 萩原 久
日本有機農業研究会(八郷町在住)
理 事 魚住 道郎
北浦・微生物農法の会
代 表 長島 昌裕
砂長商店(米穀/水海道市)
代 表 砂長 弘一
常総生活協同組合
理事長 畠山 智子
(連絡先:常総生活協同組合/専務理事大石/0297-48-4911)