反GMイネ生産者ねっとNo.415

遺伝子組み換え作物いらない!茨城ネットワークから農林水産省に対し、次のような質問状が出されました。(常総生協・大石さんより)

 

以下、本文

 

2003年7月28日

 

農林水産省

 農林水産技術会議事務局 技術安全課長 長谷川裕 殿

 生産局 農産振興課長         吉田岳志 殿

 

「遺伝子組み換え作物いらない!茨城ネットワーク」

つくば環境と人権のための市民会議  代 表 中島 スミ子

八郷町農業協同組合(JAやさと)  組合長 萩原  久

日本有機農業研究会(八郷町在住)  理 事 魚住 道郎

北浦・微生物農法の会        代 表 長島 昌裕

砂長商店(米穀/水海道市)      代 表 砂長 弘一

常総生活協同組合          理事長 畠山 智子

 

 

農水省発通知と、茨城県での事態について(質問)

 

 平成14年11月21日付けで両課長名において、日本モンサント社ならびに各農政局宛に出された文書「安全性が確認された組み換え大豆を栽培する場合の留意点について」(14農会第997号)(以下「通知」)と、このたび茨城県筑波郡谷和原村で「バイオ作物懇話会」なる団体が栽培した組み換え大豆の栽培について以下公開質問いたします。明後日7月30日までにご回答くださるようお願い申し上げます。

 

 

1.農水省は、「通知」において「生産・流通上の混乱を招かないための交雑・混入防止上の措置について十分徹底するよう」指示されていますが、今回問題になりました茨城県谷和原村の栽培について、どのような指導をされたか具体的に経過を追って示してください。

(特に、私どもが「バイオ作物懇話会」宛に「開花前の刈り取りの要請」をいたしました7月23日以後、とりわけ、私どもが農水省にお願いに言った25日、また「懇話会からの回答」があった同日にかけて、農水省はかなり頻繁に「懇話会」ならびに「農林水産先端技術振興センター」(以下STAFF)と情報交換をされていた様子ですので、近接の情報収集と導ならびに農水省としての努力については詳しく教えて下さい。)

 

2.7月に1日には開花がはじまったと考えれますので、すでに「花粉」は6日間にわたって飛散したと思われます。まったく普通のほ場で栽培されており、栽培者であるバイオ作物懇話会代表は「不要」として、「通知」で言う「交雑防止措置」は特段とっておりません。

 農水省として周辺への交雑、土壌への影響等について至急調査をする用意があるかをお答え下さい。またもし交雑等の汚染が確認された場合の責任の所在を明らかにしてください。

 

3.「これ以上の」飛散と交雑の危険性は周辺農家の方の手によって回避されました。一般国民をこうした止むに止まれぬ行為に追い込んだことに対して、農水省はどのように考えておられるかお答えください。

 

4.民間任意団体の「バイオ作物懇話会」による栽培についての茨城県への事前栽培報告を、農水省の公的PA団体「農林水産先端技術振興センター」(STAFF)が行ったことについては、「単なる情報の提供」であると農水省は説明されました(7月25日)。

 だとすれば、谷和原における栽培の県への「事前栽培報告」はなかったことになります。STAFFによる情報提供もすでに播種後の「事後報告」でした。

 「通知」と照らし合わせて、県への「事前栽培報告」をおこなわないまま行われた栽培であったことを農水省は認めますか、お答えください。

 

5.マスコミによる周辺農家への聞き込み調査では、周辺農家はこの圃場で「遺伝子組み換え大豆」が栽培されていることをほとんど知らなかったとのことです。

 農水省の言う「栽培にあたっては、事前に周辺地域、住民の理解を十分に得ること」とは具体的にどの範囲と内容を言うのかお答えください。

 

6.農相省は各農政局ならびに各都道府県に対して、当該事前栽培報告にもとづき、事前周辺地域住民の理解を十分に得られているか、交雑混防止等の措置が行われているかを「徹底し、必要に応じて状況確認をするよう」指示しております。

 谷和原村の栽培について、関東農政局ならびに茨城県が、措置の徹底ならびに状況確認をいつどのようにおこなったか、農水省として報告を受けて把握していましたか。また把握していたとしたらその問題点についていつどのような検討をおこない指導をおこなったかを明らかにしてください。

 

(なお、茨城県は、STAFFによる「性格不明」の「情報提供」に対し、上記農水省の「通知」にもとづき、すでに播種後に(事前ではない)情報提供された谷和原村での栽培に対しては「開花前の刈り取り」により交雑防止をはかることをSTAFFに確認する措置をおこなっています。また、下館市も栽培したいとのSTAFFからの情報提供に対しては「納豆小粒の産地であり、交雑した場合の責任は誰が負うのか、DNA検査の態勢はあるのか」等の質問をSTAFFに対して行ったうえで「やめてもらいたい」旨の指導を行っていることが確認されています。)

 

7.今回STAFFによる茨城県へは「開花前に刈り取る」とされていました。また谷和原村への説明でも「本当は枝豆までやりたいが、谷和原村で風評被害や村のイメージダウンを心配されるのなら開花前に刈り取る」(と長友氏が言っていたとのSTAFFの言)との確認から、7月23日夜には「開花前とは言っていない。開花頃との約束」に変わり、さらに7月25日の回答文書では「花の咲くまでに刈り取ると約束しておるわけでは御座いません。今年の試験では、雑草の二次発生を見るべく枝豆の時期ぐらいまでは検証してみたいと思っております」と、刻々変化していった栽培者「バイオ作物懇話会」に対して、どのように思われるか見解を教えてください。

 

8.農水省がいう「交雑防止措置」「混入防止措置」とは、具体的にはいかなる措置を指示、または「お願い」したのかを教えてください。 

 

                                           以上

 

 

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