反GMイネ生産者ねっとNo.394

 

1.03/07/06 北海道新聞記事より

  遺伝子組み換え

  カナダの農家「危険」訴え

  札幌で講演会

 

2.03/07/07 消費者リポートより

  遺伝子組み換えイネ・最新情報

  北海道・岩手・茨城で野外実験始まる

  遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン

  代表 天笠啓祐

 

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1.遺伝子組み換え カナダの農家「危険」訴え

札幌で講演会  

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札幌市内で進められている遺伝子組み換え(GM)イネの栽培試験の中止を求める生活クラブ生協(札幌市)などの市民団体は五日、緊急講演会を同市白石区のリフレサッポロで開いた。

 

 栽培試験は、独立行政法人農業技術研究機構北海道農業研究センターが、同市豊平区のほ場で実施している。講演会には約百八十人が参加。カナダの農家で、米国の種子メーカーから除草剤耐性ナタネの種子の特許権侵害で告訴されたパーシー・シュマイザーさんが講演した。

 

 自家採種で栽培している畑に同社の開発したGMナタネがたまたま紛れ込んだにもかかわらず、一、二審で敗訴したシュマイザーさんは「一度GM作物が畑に侵入したら、農家が自分の種をまいて育てる権利より、企業の特許権が優先される」と指摘。

 

 さらに「カナダはGM種子との交雑が広がり、GM以外のナタネの栽培は不可能になった。日本にも起こり得ることだが、そうならないようにできる余地はある」と強調した。

 

 

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2.遺伝子組み換えイネ・最新情報

北海道・岩手・茨城で野外実験始まる

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン

代表 天笠啓祐

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農水省が、2000年3月に初めて遺伝子組み換えイネの国内作付けと輸入を認可して以来、作付けや輸入が認められている品目は18に達しています。だが、厚生労働省に食品として申請・認可を受けた品目は、まだひとつもありません。

 

 昨年、モンサント社が愛知県農業総合試験場と組んで開発した除草剤耐性イネ「祭り晴」が市民運動の力で中止に追い込まれたことは、日本企業の組み換えイネ開発を直撃しました。日本たばこ産業とキリンビールが、組み換えイネから撤退し、最近では三菱化学が、滋賀県の中島美雄商店にイネの権利を譲渡し、全面撤退することになりました。日本の民問企業では、日本たばこ産業、キリンビールがすでにイネから撤退し、残るは三井化学1社になりました。その三井化学も、組み換えイネの開発は中止し、通常のイネの開発だけになつており、そのため日本で積極的に組み換えイネを開発している機関というと、岩手県と、かつての農水省の研究機関(現在は独立法人)だけになりました。

 

岩手の低温耐性イネ

 その岩手県などで相ついでイネの野外実験が始まりました。岩手県のイネは、岩手生物工学研究センターが開発した低温耐性のイネです。03年4月3日に農水省が認可し、4月20日には北上市で地元説明会が開かれましたが、地元の強い要請で6月14日に再度説明会が開かれました。このイネは、除草剤耐性、耐冷性など多面的な機能を示す遺伝子(グルタチオンSトランスフェラーゼ遺伝子)をイネに導入したもので、「ササニシキ」が用いられています。このイネの問題点は、多面的な機能を持つ酵素ができるため、不確定要素が多く、何が起きるかわからず、未知の問題が今後発生する可能性がある点です。

 

 岩手生物工学研究センターは、岩手県が100%出資して92年4月に設立されました。同県は、地方自治体のほとんどが組み換え作物の開発から撤退していく中で、メロンを開発している島根県と並び積極的な自治体です。

 

予測できない不安がある野外実験

 4月28日に農水省は、イネ2種類の野外実験を認可しました。ひとつは北海道で、もうひとつは茨城県で作付け実験が始まりました。農業技術研究機構・北海道農業研究センターで実験が始まったイネは、生物資源研究所が開発した成長の早いC4植物であるトウモロコシの遺伝子(C4型ホスホエノールピルビン酸カルポキシラーゼ遺伝子)をC3植物のイネに導入して光合成を活性化させ、成長をコントロールしたり、コメ粒を大きくさせようとしたものです。品種としては「キタアケ」が用いられています。どのような形態的な変化が自然環境中で起きるかは不明で、この遺伝子が発現すると酸性土壌耐性の性質が得られる可能性があるため、それらを実験で確かめることになっています。このイネの問題点は、これから何が起きるかわからないものを、野外環境中で実験している点です。

 

 茨城県にある農業環境技術研究所で試験栽培が始まったイネは、農業技術研究機構・作物研究所が開発したトリプトファン高蓄積イネです。イネ由来アントラニル酸合成酵素αサブユニット遺伝子を用いて、必須アミノ酸であるトリプトファンを高蓄積させました。用途は飼料だということです。イネの中のトリプトファンは、必要以上に増えるとアントラニル酸合成酵素と結合して、トリプトファンの合成が妨げられる仕組みになっています。その仕組みをはずし、トリプトファンを過剰状態にするのです。トリプトファンだけでなく関連の植物ホルモンなども作られっづけます。イネにとってよくない現象が連鎖的に起きる可能性があります。

 

 今回野外での実験が認可された三つのイネは、いずれも国産イネであり、予測できない未知の不安を持ったもので、野外実験の認可が早すぎたという点は共通です。

 

 

 

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