反GMイネ生産者ねっとNo.363
2001年10月10日
オースティン・テキサス大学
訳:道 長
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パーシー・シュマイザー氏講演 ■最終回■
『バイテクが農家と消費者の権利を脅かす』
遺伝子操作種子会議にて
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収入の損失に対する債務の問題。これが、私どもが(モンサントに負わすことのできる)問題であり、それが訴訟の目的です。「あなた方が特許をお持ちになるのはけっこう」。でも先ほど申し上げたとおり、だからといって他人の財産を台無しにする権利はありませんよ、ということです。
私の話を締めくくる前に、もういくつか挙げておきましょう。私が申し上げたのは、品質が落ちる、農家の受け取る価格が落ちる、利益が落ちる、市場は狭くなる、栽培できる作物が減る。そしてモンサントからの認可、ライセンスがいる。というような事柄もですが、なんと言っても食べ物の安全性ということが私の言いたいことなのです。これは非常に重要なことです。
カナダでは、この4年間のうちに、モンサントはカノーラの新品種をいくつか発表しました。1997年のモンサントのカノーラには、人の健康に危険な無用の遺伝子が含まれていました。おかげで何百万ドルもの、巨額な回収となりました。にもかかわらず、農家の中にはすでに作付けしてしまっていたところもあったのです。カノーラはユニークな特徴があって、まいた種全部が同時に発芽するわけではありません。カノーラの種子は、10年間もの間、土の中で眠り続けることができてしまうんです。それらの何がしかはいまだに土の中にあるんですが、その結果がどう出るのかについては誰も知りません。
もっとも危険なことが2000年に起きています。モンサントはカノーラの新種を作り出したのですが、一部の農家に販売してしまってから、また私たちの州の南部ではすでに播種してしまった農家もあったのです。またもや、人の健康に有害な遺伝子が含まれていたことを知らされたのです。そしてこのときにも膨大な回収ということになったのです。
もし、モンサントが管理された研究所内で自らの製品をコントロールできないならば、環境においては一体何が起こりうるでしょうか。もう一度言いますが、現在、スーパー雑草が出現しているんです。今から15〜17年前にモンサント社が唱えた、飲んでも安全、食塩よりも安全というラウンドアップ除草剤についての、有力な報告がなされてきています。モンサントに農家が教わったことはこういうことです。
ロドニーが指摘したように、PCB、DDT、2−4D、オレンジ剤(枯葉剤)は安全であると言われていたんです。そして今や、ラウンドアップは、北米での農業関連の病気で第3番目に大きな原因なんです。ガンも含まれていますし、おもな原因のひとつです。
例を挙げてみましょう、私の住んでいるところでは、農業をしているお隣は一人もいないんです。みんな亡くなりました。私の隣人たちは(声を荒げて)ガンで亡くなったんです。(間をおいて)私たち農家が深刻なほどに関わりつつあることなんですよ。20年ないし30年、40年間、農薬を使い続けてきた結果がそれなんだ、ということなんです。
じゃあ、私はどうかというと、今70歳であとどれだけ余生があるかなんてわかりません。そして私は私の子供や孫たちに残してやりたいものがあるんです。私には5人の子供と、14人の孫があります。彼らに、毒された大地と食べ物を残してやりたいとは思いません。私は彼らに、安全な大地と食べ物を残してやりたいと思います。
みなさんにこのメッセージを送る機会を持つことができて、ほんとうにありがとう。
(拍手)
−おわり−
記述:Paul Goettlich