反GMイネ生産者ねっとNo.321
消費者リポート1220号
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報告 コーデックスNGO行動
今後さらに遺伝子組み換え食品反対運動を強化しよう!
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コーデックスNGO行動へのご参加、ご協力ありがとうございました。
第4回コーデックス・バイオテクノロジー応用食品特別部会が、3月11日から14日まで横浜で開催され、@遺伝子組み換え食品の危険性分析に関する原則案、A遺伝子組み換え植物由来食品の安全性評価指針案(アレルギー誘発性評価に関する添付資料案を含む)、B遺伝子組み換え食品微生物由来食品の安全性評価指針案がまとめられました。
コーデックスNGO行動は、厳しい国際基準の制定を求めて4年間運動してきました。今年は横浜でのアピール行動を皮切りに、3月14日には議員会館で農水省、環境省との交渉。銀座での遺伝子組み換え食品反対のアピール行動。日本モンサント社に対して、遺伝子組み換えイネの開発と遺伝子組み換え大豆の国内作付け運動中止の申し入れも行いました。
変わらない!日本の安全性審査基準
15日の報告集会には、約200人が参加し、特別部会の総括、EUの現状や表示制度を踏まえ、今後の行動について話し合いました。海外ゲストからは、「4年間、NGOの運動や会議への参加が指針の厳格化に重要な役割を果たした。各国内での規制内容が厳格なものになるよう訴えていかなければならない」「GM推進のアメリカには他の国のNGOと連携して対抗しよう」「日本の表示制度は甘すぎる」などの発言がありました。
昨年大枠が決まった安全性評価の枠組みは、実質的同等性の考えによっています。各論で個別評価項目が厳しくされているものもあります。しかし、国際基準より緩い基準については、WTO(世界貿易機関)の制裁措置はないため、日本政府は、従来の日本の安全性審査基準は変わらないとしています。また、決議の内容も「英語で話された内容だから」として日本語に翻訳するつもりはないようです。
一方、合意の進んでいない遺伝子組み換え食品の表示に関するガイドライン案は、トレーサビリティ、有機食品、栄養表示などとともに、03年4月28日からカナダのオタワでの会議で議論されます。
遺伝子組み換え食品への反対運動を強めるとともに、他のコーデックス会議の動向にも注目していく必要があります。 (古賀真子)
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2003 コーデックス・バイオ特別部会報告
条文の文言を変えさせたNGOの力
真下俊樹(日消連運営委員)
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2000年から4年間・4回にわたって続けられてきたコーデックス・バイオテクノロジー応用食品特別部会(バイオ特別部会)の最終会議が横浜で行われ、コンシューマーズ・インターナショナル(CI)の一員として日消連から出席しました。
遺伝子組み換え微生物の安全評価
バイオ特別部会の当初の目的は、遺伝子組み換え食品一般に対するリスク評価の一般原則と、遺伝子組み換えの植物、動物、微生物を使った食品について、それぞれの安全性評価ガイドラインをつくることでした。前回までの会議で、一般原則と植物のガイドラインが合意され、今回は微生物のガイドラインづくりが議論されました。
微生物は、腸内にとどまってコロニーを作ったり、他の細胞と遺伝子を簡単にやり取りするなど、特別な働きをもっているので、危険性は植物よりもはるかに高いといえます。
会議では、02年に合意された植物のガイドラインに照らして、共通の部分は植物ガイドラインの条文をほぼそのまま採用し、微生物固有の問題を中心に議論されました。例によってアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの食料輸出国が、植物ガイドラインとの「整合性」を理由に、微生物食品の安全基準を緩めようと画策し、イギリスを除くEU、NGOの他、今回はイラン、WHOが微生物の固有性にもとづく規制強化を主張するという構図で進みました。食料輸入国でありながらアメリカの肩を持つ日本政府について、参加者の1人は「北朝鮮問題があるので、日本はアメリカのご機嫌を取っているんじゃないか」と言っていました。
原案は、遺伝子組み換え微生物のみを対象にして、遺伝子組み換え微生物を使ってつくられた食品を安全性評価の対象にしていない部分があるなど、いくつも問題がありました。しかし、CIやグリーンピース、49thパラレルなどNGOは、今回も主要な発言者として条文の文言を訂正させ、可能な限り消費者の安全の側に引き寄せることに成功したといえます。
しかし、遺伝子組み換え食品の世界的な流通を大前提として、技術的・経済的に可能な範囲で安全性評価をするというコーデックス基準の根本的な不十分さは、今回も変わりませんでした。
積み残した課題
バイオ特別部会は一応今回で終了しましたが、当初の予定されていた遺伝子組み換え動物の安全性評価ガイドラインはまだ何も議論されていません。他にもクローン動物や、遺伝子組み換え生産物が低レベルで混入した食品、遺伝子組み換え食品と一般食品との相互作用、これまで食品で使われてこなかった微生物を組み換えて使った食品の安全性評価をどうするかといった問題もあります。
今回の会議の最後でも、「今後とも議論を継続すべきだ」という意見が食料輸出国・輸入国を問わず各国から出され、2005年以降に新たなバイオ特別部会が、たぶん日本で開催されることになりそうです。
コーデックス基準は妥協の産物であり、もろ刃の剣ですが、そのための会議はNGOも参加できるまたとないチャンスです。日本のNGOも、条文の文言を変えさせられるだけの実力をつける必要を痛感しました。また、コーデックス基準は、現状から見ればかなり厳しい基準ともいえますが、その実質的な中身は、今後私たちが現実の運動で何をするかにかかっています。
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2003 コーデックス・バイオ特別部会報告
遺伝子組み換え食品反対運動の課題
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐
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コーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会で繰り広げられた4年間の議論のポイントは次の4つに集約されます。@安全性評価の基本に予防原則を導入できるか否か。Aトレーサビリティを導入できるか否か。B作物に関しては「実質的同等性」の概念をやめて、新規食品として評価できるか否か。C微生物を用いた発酵食品などや、魚や家畜の食品に関しては、作物と一線を画した評価方法を提起できるか否かです。
第一の点に関しては、予防原則は導入できませんでした。第二点は、トレーシングというあいまいな概念が取り入れられ、実効性のないものになりました。第三点の作物は、実質的同等性が堅持されました。第四点に関しては、微生物の安全基準は作物並みに甘くなり、魚や家畜食品は棚上げされました。
結局、アメリカの論理、多国籍企業の論理が貫かれた会議だったといえます。私たちは、自分たちの力で具体的に遺伝子組み換え食品を阻止する運動をつくっていかなければなりません。
日本たばこ産業のイネを止めよう
この間、私たちは遺伝子組み換えイネの開発阻止、遺伝子組み換え大豆の国内作付け阻止の運動に取り組んできました。昨年末、愛知県とモンサント社が共同で開発を進めていた除草剤耐性イネ「祭り晴」を中止に追い込みました。ですが、その後も農水省・企業によって多種類の遺伝子組み換えイネの開発が進められています。それらを阻止するために、最初に認可される可能性が高い日本たばこ産業の酒造用イネの開発をストップさせましょう。
遺伝子組み換え大豆の国内作付けを止めよう
また、宮崎県の不動産業・長友勝利さんとモンサント社によって進められている除草剤耐性大豆の国内作付け運動は、一昨年9か所、昨年6か所につづいて、今年はニ十数か所が予定されています。それを阻止することで、国産の作物を守り、在来種を保護しましょう。
消費者の権利を守らせる表示に
これらの運動に加えて、表示問題にも取り組む必要があります。今年、欧州で新しい遺伝子組み換え食品・飼料の表示制度がスタートします。全食品に表示を義務づける、消費者保護の精神にのっとった内容です。それに比べて日本の表示制度は、欠陥だらけで、消費者の権利は踏みにじられています。
コーデックス委員会を市民のものに
コーデックス委員会そのものを変えることが必要です。コーデックス委員会の国内委員会の設置や、国会の管理下に置くこと、市民参加と情報公開を徹底させるなどを求め、同委員会を市民の意見が反映できるものに変えていくことが大切です。また、遺伝子組み換え食品の安全審査が、新しくできる食品の安全審査が、新しくできる食品安全委員会に移行する可能性が出てきました。4月19日に設立準備中の「食の安全・監視市民委員会」を充実させて、監視活動を続けていくことも必要です。
モンサント社製品の不買を
課題山積というところですが、最後にぜひ一つ付け加えたいことがあります。イラクへの侵略戦争を止めるために、消費者ができることは多く、そのひとつが不買運動です。ブッシュ政権とモンサント社との間には深いつながりがあり、私たちの食卓が間接的に戦争に協力しているのです。食卓からモンサント社の作物を追放する必要があります。食用油を大豆、コーン、ナタネ、綿実以外に変えること、醤油の場合「丸大豆」「有機」と書かれた製品を選ぶことで、モンサント社不買運動を推進しましょう。