GMイネ生産者ねっとNo.293

 

1.2003年3月7日

 消費者リポート(1216,1217 合併号より)

  2003.2.15 北海道集会報告

 

2.2003年3月12日

 日本農業新聞

  コーデックス委員会開幕

  GM微生物で議論

-----------------------------------------

1.2003/2/15北海道大集会報告

遺伝子組み換え作物の国内作付けを阻止しよう

-----------------------------------------

 

国内作付け阻止の機運盛リ上がる

 2月15日「北海道食の自給ネットワーク」主催のフオーラム『検証!遺伝子組み換え作物』が札幌で開かれました。

 

 昨年、北海道では一般農家の畑で遺伝子組み換え作物の作付け実験が行なわれたことから、最大の大豆生産地が遺伝子組み換え大豆に汚染されることを懸念して、北海道はもとより全国の生産者・消費者が集会に参加しました。愛知農試とモンサント社による遺伝子組み換えイネ「祭り晴」開発を阻止した勢いを北海道にもと、目消連、遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン、ストツプ遺伝子組み換えイネ生協ネットワーク等も協カ団体として参加しました。

 寒さの一番厳しい折でしたが、300人収容の会場は参加者であふれ関心の高まりを感じました。

 プログラムは、第1部でキャンペーン代表の天笠啓祐さんと名古屋大学の河田昌東さんが「遺伝子組み換え食品の現状と基礎知識」を説明。その後第2部では、「もし北海道で遺伝子組み換え作物が作付けされたら」というテーマで、地元の「ふれあい体験みたむら」の三田村雅人さんと生活クラブ生協理事の泉屋めぐみさんがパネリストとして加わり、会場との意見交換をしました。

 

遺伝子組み換え作物とは共存できない

 三田村さんは「遺伝子組み換え作物について農家側からの意見は少なく、議論さえ始まっていない。作るだけの農業でなく、食べ物としてどうなるかに関心をもちたい」と語り、泉屋さんは「北海道産のものを食べる運動をしている、そこに組み換えのものが入って来るのは大問題だ、全国の人たちと遺伝子組み換え作物とは共存できないと運動していきたい」と決意を述べました。河田さんは「今まで国産の大豆であれば安心だつた。国内で作付けされれば、遺伝子は人間のコントロールをはずれ、自然界に拡散されてしまう」と警告しました。

 

 北海道大学の富田房雄教授が、遺伝子組み換え大豆95%を使った豆腐、納豆を販売するという情報について、河田さんは「いま消費者は、5%以下は食べている。では95%になっても食べるのか」と問いかけ、消費者自身の組み換え作物に対する姿勢が問われているのだと話されました。

 

 作付けされた場合について、天笠さんは、大豆の作付けが95%になり、農地の40%に遺伝子組み換え作物が植えられているアルゼンチンの状況を、「大豆の収穫量は5〜6%減り、コストは14%増。大豆価格は暴落、農家収入は減った。農薬の使用量が増え、スーパー雑草が出現。森林破壊が進み、生態系が破壊されている」と説明して、危険性への理解を求めました。

 

農業再生にいらない!組み換え作物

 前日、日消連とキャンペーンはホクレンに行き、「遺伝子組み換え作物栽培反対の申し入れ書」を提出しました。その折、「全国の農協では遺伝子組み換え大豆は取り扱わないと申し合わせている」とのカ強い決意をうかがう事ができました。北海道の大豆生産は約40%にもなり、食料基地として農業は盛んです。しかし農業軽視の政策の下、耕地面積は減り、離島、耕作放棄地は増えています。「日本農業の再生に遺伝子組み換え、作物はいらない」の声を上げ、大豆畑トラストのような生産、消費者が提携して自給率を上げる運動を進めましょう。

 

-----------------------------------

2.コーデックス委、開幕

-----------------------------------

GM微生物で議論

 国際的な食品基準をつくるコーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会が11日、横浜市のパシフィコ横浜会議センターで始まった。14日までの日程。32カ国のほか国際機関と非政府組織(NGO)など18団体、150人が出席した。

今回は、納豆やヨーグルトなどの発酵食品に使う微生物や菌などの遺伝子操作に対して安全性を評価する。遺伝子組み換え(GM)微生物の範囲については、基本的に食品にする。マッシュルームやキムチは対象範囲に明記すべきではないという議論があった。

海外のNGOからは「肥料や飼料にも遺伝子操作したものがあり、農業への利用や食品製造業者への安全性の影響も調べるべきだ」との発言があった。

部会では、農業に利用するGM微生物については別の専門家会議を設ける必要性を確認した。14日の最終日に議論をまとめる。

 

 「遺伝子組み換えに反対します」−会場前には消費者30人ほどが集まり、会議の出席者に英文のちらしを配った。トラクターも動員し、横断幕を掲げてアピール行動をした。

ナチュラルコープヨコハマ(横浜市)の豊田巳津男・共同購入部長は「国内でGM大豆が栽培されると花紛が飛んで交配する可能性があり、国産が安全とはいえなくなる」と、国際基準が作られる会議の成り行きを心配そうに見守っていた。

 

 

戻るTOPへ