反GMイネ生産者ネット#242
2002年12月7日
消費者リポート
どこにもない!遺伝子組み換え使用表示
2001年4月から、遺伝子組み換え食品の表示がはじまりました。遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンでは、表示義務のある食品の調査をしましたが、遺伝子組み換え使用表示は見当たりませんでした。01年4月に農水省が行った調査でも同様の結果が得られています。これは、表示義務食品の対象が限られており、遺伝子組み換え作物が大量に使われている油や醤油が表示の対象からはずされたこと、5%未満の遺伝子組み換え作物は使用表示をしなくていいことになったなど、表示制度に問題があるからです。そのため、消費者は表示によって遺伝子組み換え食品を避けることができません。それをいいことに、日本に農作物を輸出しているアメリカでは、大豆をはじめとする遺伝子組み換え作物の生産が増えています。遺伝子組み換え作物は主原料として、また様々な副材料、添加物としても使われ、日常の食品に深く入り込んでいます。
食品購入の手引きに
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンでは、遺伝子組み換え食品を避けるためのチェックシートを作りました。A2判のポスターサイズの表面には、遺伝子組み換え作物由来の原材料、添加物の一覧表を掲載。食品表示の中の何が遺伝子組み換え作物を原料にしているかをカップめん、ビスケット、清涼飲料水などの例を挙げて示しました。また、遺伝子組み換え食品の危険性や生産の現状、表示の問題点などの資料も掲載しています。裏面には、非組み換え材料を使った確かな食品を作っている製造業者、それらを扱っている購入先も載せました。市販の食品を買うときの手引きとして役立ちますし、加工品の多くが、遺伝子組み換え“灰色”食品である食の現状を実感できます。
ドイツでは、消費者団体の調査が多数の遺伝子組み換え食品が流通している実態を浮かび上がらせ、そのことがEUの厳しい組み換え表示の確立に結びつきました。このチェックシートを、日本の表示が真に消費者の選択の基準となるものに変えるためご利用ください。そして、遺伝子組み換え食品を私たちの食卓から追放しましょう。(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン 小野南海子)