反GMイネ生産者ネット#240
02/12/06各社の報道A
1.毎日新聞
2.読売新聞
3.日経新聞
■毎日新聞
愛知県
遺伝子組み換えイネ商品化を断念
除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換えイネの開発研究を進めていた愛知県は5日、同品種の商品化を断念すると発表した。遺伝子組み換え食品の安全性に不安を持つ消費者団体らが研究中止を求めていたことなどを総合的に判断したとみられる。米国の大手バイオテクノロジー企業のモンサント社と県との共同研究は、ほぼ完了しており、商品化は目前だった。今回の県の方針は、農産物の遺伝子組み換え研究や商品化に大きく影響を与えそうだ。
同日の県議会本会議で小野寺健・農林水産部長が答弁した。小野寺部長は、モ社との共司研究を今年度で終了するとしたうえで「遺伝子組み換え技術習得という目的は達成した。商品化に必要な厚生労働省への安全審査の申請は行わない」と述べた。
モ社の除草剤「ラウンドアップ」が国内外で広く使用されていることから、県は97年度から、同剤に耐性のある品種開発研究を同社と共同でスタートした。昨年度には農水省の環境安全性審査をクリアするなど、両者による遺伝子組み換えイネの研究は国内最先端という。
しかし、消費者や生産者団体が「安全性に心配がある」「自然環境を破壊する」などと訴え、これまでに開発中止を求める署名約58万人分を神田真秋知事に提出している。
開発中止を求めてきた市民団体「中部よつ葉会」運営委員の村上喜久子さんは「米国で栽培された稲が日本に輸出されるかもしれないが、県が撤退宣言したことで、新品種の信頼性に疑問がつくのでは」と評価した。
【相良美成】
■読売新聞
遺伝子組み換え稲 商品化を中止
愛知県 消費者の不安に配慮
愛知県は5日、県農業総合試験場(長久手町)が取り組んでいた遺伝子組み換えイネの研究を今年度で終了し、商品化のために必要な厚生労働省への安全性審査を申請しないことを、県議会一般質問で明らかにした。遺伝子組み換え食品の安全性に不安を持つ消費者の声に配慮した。
同県は97年から日本モンサント社(東京都)と共同で開発を始め、除草剤に強い遺伝子を組み込んだイネの商品化を目指して研究を進めていた。
商品化には、厚労省の安全性審査を受けなければならないが、「商品化には様々な方が不安を持っている」(小野寺健・県農林水産部長)として、1年ごとに更新していたモンサント社との契約を今年度で打ち切った。
県が実施した県政モニターアンケートでは、遺伝子組み換え食品について「できれば食べたくない」「絶対食べたくない」との回答が59.1%を占めた。さらに、全国7ヶ所の研究の中で最も商品化が近いとされていたことから、全国の消費者団体などが、商品化中止を求める56万人の署名を県に提出していた。
小野寺部長は「全国から多数の署名が出され、商品化に様々な方が不安を持っていることが改めて分かった」としたうえで、「研究は今年度で終了し、商品化に必要な厚生労働省への申請は行なわない」と述べた。
日本モンサント社は「一定の成果が出たと考えている。共同研究で得られた成果を今後、どう生かしていくかは、社内で検討する」と話している。
■日経新聞
愛知県、商品化見送り 遺伝子組み換えイネ
愛知県は5日、県農業総合試験場で開発していた遺伝子組み換えによる除草剤耐性イネの開発に見通しが立ったが、商品化のための申請をしないことを明らかにした。
農林水産部長が県議会の一般質問で、中村友美県議の質問に答えた。
答弁によると、同試験場と、遺伝子組み換え農作物開発販売最大手のモンサント社との共同研究により、同耐性イネの開発に見通しが立った。ただ、同組み換え食品には消費者に不安もあるため、共同研究も本年度で終わらせる。