GMイネ生産者ネット#209

 

 8月、音羽米研究会より、音羽町に対して遺伝子組み換えイネについての見解を求めるべく、質問状が提出されました。それに対する回答がなされたため、お知らせします。

 回答の内容としては、たいしたものではありませんが、質問状が出され、公に回答がなされたという意味で意義があったと解釈したいと思います。

 

平成14年10月23日

音羽米研究会会長

鈴木農生雄殿

 

音羽町長 宇津野 武

 

遺伝子組み換え稲の研究について(回答)

 

平成14年8月27日付けで要望のありました。このことについては、下記の

とおりです。

 

 

※愛知県の意向(現在の進行状況)

●共同研究の中止・商品化について

 この研究は、組み換え技術の習得や系統の育成を目的として行っているが、いずれも初期の目的はほぼ達成しつつあると認識しているので、今年の研究成果を見て判断したいと考えている。

 

 また、厚生労働省への安全性審査の申請は、昨今の食品安全性に対する関心の高まりなどに十分配慮して慎重に対応していきたいと考えている。

 

●多国籍企業に手を貸すことについて

 稲作の低コスト化を推進する上で、モンサント社が持っている除草剤耐性遺伝子の利用が最も効率的と考え、一方、モンサント社としても、稲の育種に実績を持つ本県農業総合試験場の技術力を評価して、共同研究を行ってきたものである。

 

●安価な遺伝子組み換え稲の輸入がもたらす日本国内の影響について

 まだ遺伝子組み換え稲の商業生産はされていないし、遺伝子組み換え農産物の日本国内への輸入に当たりましては、国の安全審査を受ける必要がある。加えて、現在、国においては、農業の持つ多面的な機能の維持や食糧安定供給に取り組み、自給率の向上に努めている。

 

●米の遺伝子組み換えが通れば、米以外にも口火を切ることについて

 遺伝子組み換え植物の食品としての安全性については、厚生労働省において組み換えDNAの安全性審査基準によりそれぞれ個別に厳格に審査が行われることになっている。

 

 県も食の安全性の確保には、最も重要なことと考えている。

 

●さまざまな影響が出た場合、開発した県にも責任が生ずることについて

 現段階では、具体的な問題は生じていないし、今後も問題が生じないよう細心の注意を払ってまいりたいと考えている。(以上H14.6月愛知県議会議事録抜粋)

 

※町の対応

●農業行政にとりまして、良質で安価な食糧を安定的に供給していくことは、大変重要な施策であり、地球的規模での食糧問題や気象変動など、極めて解決が困難な問題の解決手法の一つとして、遺伝子組み換え技術の調査研究は、大変意義あることであり、必要であることと思います。

 

 とは申しましても、米は、日本人の主食作物であり・食文化の代表的なものでありますので、食の安全性には十分に配慮されたものでなくてはなりませんし、環境への安全にも留意した適切な技術開発を望むところであります。

 

 また、商品化につきましても、生産者への影響が懸念されますので、研究の動向を注目するとともに、情報を随時聴取しまして、お知らせしてまいりたいと思っております。

 

以上の回答書は

http://www.bea.hi-ho.ne.jp/michinaga/

『遺伝子組み換えイネ研究会』でも掲載しています。

 

 

戻るTOPへ