反GMイネ生産者ネット#209
『土と健康』日本有機農業研究会編より
2002/10月号
2002年7月6日
ストップ!遺伝子組み換えイネ全国集会
報告 GMイネ試験田は殺伐たる“水田砂漠”
松沢政満
○熱気あふれたデモ行進
遺伝子組み換え稲(GM稲)はいらない!食べない!作らない!の思いに駆り立てられた人たちが全国から名古屋に結集しました。7月6日(土)、名古屋市中区役所ホールは主催者の予想をはるかに越える約800人もの参加者の熱気が渦巻いている感じでした。開会前から全国の同じ思いの者同士が情報交換しあい、河田昌東さん(名古屋大学理学部)と天笠啓佑さん(GM食品いらない!キャンペーン代表)との掛け合いトークでGM稲に関する知識を楽しみながら取り入れました。
焦熱あふれる各団体のアピールで盛り上がった雰囲気をそのままに、栄から伏見まで名古屋の中心街をデモ行進しました。週末で渋滞気味の通行者(車)も嫌な顔も見せず、見守り、手を振って支援してくれるなど、市民へのアピール効果も十分でした。
○全国集会に結集
需要に供給が追いつかない有機米の生産者にまで農業補助金と地域の枠を使って生産調整を強要しながら、行政主導でGM稲を開発しているのが、愛知県です。「大量生産、大量消費米に適した愛知式乾田直播の稲作の弱点である雑草対策も、ラウンドアップ耐性のGM稲で解決する。将来的には消費者の安心、安全のニーズに応えるため、すべての植物を根こそぎ殺せるラウンドアップ一回の散布にしたい。」と研究者はいうが、試験圃場をみた限り難しそう。GM稲採用者の価値観からすればなおさらでしょう。
そんな愛知の除草剤耐性GM稲(祭り晴)が日本国内で試験栽培中の8種類といわれる中でもトップランナーの様相があります。これにブレーキをかけようと多くの人たちが動き出し、名古屋市での「ストップGM稲、全国集会」開催となりました。
○愛知のGM稲開発状況
米国モンサント社と県農業総合試験場との共同開発。稲作の低コスト化、規模拡大に有効な直播栽培における雑草防除を合理化するため、除草剤耐性の稲品種を育成することを目的としています。1997年育成研究開始。2000年には環境安全性評価試験を終え、2001年には優良系統の圃場選抜、交配試験、遺伝特性試験、導入遺伝子の詳細分析が行われました。同年5月には一般圃場での栽培が認可され、今年は交配・選抜遺伝子分析とともに、8アールほどの圃場で不耕起直播GM稲のラウンドアップ耐性レベルチェックが実施されています。
7月31日、圃場見学した折のラウンドアップ施用(7月8日)田の光景は、多様な生き物があふれる有機農法田を見慣れている私には「水田砂漠」と映りました
○GM稲を見学
全国集会前日の7月5日に実施されたGM稲試験田の見学会には全国各地からの100人を越す人が集まった。GM稲開発中止の訴えが多く出ました。
集会後の8日には、1ヵ月ほどの取り組みで愛知県内だけでなく全国から集まった323,097筆の署名簿を携えて参加団体の代表など20人が県庁に出向き、GM稲の育成研究中止と、商品化に必要な厚生労働省の食品安全性審査の請求をしないように申し入れました。
今後、地元では「遺伝子組み換え食品を考える中部の会」を中心に行政へと共に農協や農家・消費者へ多様な働きかけを継続していく予定です。
○署名、全国集会にご協力を!
「遺伝子組み換えイネの研究・開発・申請中止を求める署名」集めを継続していきます。ご協力ください。第一次集約、2002年11月5日。
11月17日(日)、名古屋市栄のデザインホールで秋の全国集会が予定されています。GM稲関係予算を削減させ、開発を中止させるために全国の力を結集しなければならないと考えます。参加のご協力をお願いします。
【連絡先】
ストップ!遺伝子組み換えイネ全国集会実行委員会
事務局 中部よつ葉会
〒461−0004
名古屋市東区葵1−14−3
電話 052−937−4817
FAX 052−932−8234