報告                            2004129

                         ストップ遺伝子組み換え汚染種子ネット

 

栽培用ナタネ種子・ナタネ油かすの遺伝子組み換え検査結果

 

  <栽培用ナタネ種子>

サカタのタネ     花飾り花菜       アメリカ   −
タキイのタネ     青刈りなたねレープ   北海道    −
トーホク       芯切菜(あぶら菜)   アメリカ   −
トーホク(JAのたね)    々         アメリカ   −
トーホク       黄からし菜       アメリカ   −
トーホク       ふゆ菜(早生油菜)   アメリカ   −
トーホク       新晩生あぶら菜     アメリカ   +
トーホク(JAのたね)   々        アメリカ   + 

<食用ナタネ油の絞りかす>

      リノール油脂株式会社       純良油かす              
       日清製油株式会社     日清5.3純正なたね油かす粉末     +   

 

1.ナタネ種子、ナタネ油かすの購入

 時期 : 2002年5月 以降の購入

 地域 : 関東、中部、近畿 等で、購入

2.検査

 時期 : 2003年12月〜1月 (+の結果のものは、品種特定を依頼)

3.種子検査の必要性

 栽培用種子に関しては、遺伝子組み換え汚染が起こっている可能性が高く、販売種子の検査を実施するよう担当省には要請をしてきていますが、現在、組み換え作物の全種類の種子検査は実施されていません。表示もありません。国内での商業栽培は無いとされる遺伝子組み換え作物ですが、トウモロコシに続き、ナタネも購入種子として栽培されている実態が明らかです。

 栽培が認可された組み換えだからとか、含有率が低いからということは問題ではなく、組み換え作物を栽培しているはずがないのに、知らずに栽培していることが大きな問題です。現状がどうであるか、種子、作物でもきちんと検査し、組み換えでないものを保証することが必要です。

 また、国内での遺伝子組み換え作物の栽培に関する基準が検討されていますが、国内の実態がきちんと把握されていないまま基準作りがされても、組み換えの汚染への心配は解消されません。

作物栽培が意味する面は、多方面にあると考えられますが、環境中での影響、作物自体での影響、食としての影響、作り手への影響、食べ手への影響等々、それの持つ側面を総合的に考えていくことが、この遺伝子組み換え作物には要求されていると思います。

 そのためにも、各側面で、より正確な対応、検証がされることが必要と考えます。今回の結果は、ほんの一部の検査によるものですが、この意味は大きく、重く受け止めての対応が望まれます。

 

4.ストップ遺伝子汚染種子ネットによる菜種及び菜種粕の検査結果について

 

(遺伝子組換え情報室  河田昌東)

1)            検体:アメリカ産菜種種子(トーホク新晩生あぶら菜 4P:以下4Pと記述)

 アメリカ産菜種種子(トーホク新晩生アブラ菜 10P:以下10Pと記述)

 日清製油K.K.純正なたね油粕粉末(以下、N油粕と記述)

 リノール油脂K.K.純良油粕   (以下、L油粕と記述)

2)            FALCOサイエンス(株)によるGM遺伝子分析結果

 分析した組換え遺伝子

      除草剤グルフォシネート耐性遺伝子(HCN10、HCN92、T45)

      高ラウリン酸遺伝子(E23-196/23-18-17/18)

      除草剤ラウンドアップ耐性遺伝子(RT73,GT200)

      除草剤ブロキシミル耐性遺伝子(Wester/Oxy235)

      雄性不稔と除草剤グルフォシネート耐性(MS8)

稔性回復遺伝子と除草剤グルフォシネート耐性(RF3)

    

これらのうち、高ラウリン酸遺伝子はアメリカとカナダでのみ認可されており、日本では未認可である。

3)            検査結果と解釈

菜種種子(4P及び10P)については、上記各遺伝子の検出は0.1%以下であった。

また、菜種L油粕は0.1%以上1%未満、N油粕については1%以上3%未満であった。何れも何らかの組換え遺伝子は検出されたものの混入率は低かった。特筆すべきことは、これらの検体には菜種以外の他の作物の遺伝子(大豆、トウモロコシ、綿、米)も検出されたため、これらのGM遺伝子が菜種種子由来と特定できなかったことである。この結果は、組換え遺伝子は検出されたものの、それが必ずしも菜種種子由来のものであるとは断定できず、アメリカ国内での流通過程や日本への輸出の過程で、様々なGM作物残渣の混入を受け汚染された可能性を示している。

アメリカではキャノーラ菜種の栽培はそもそも少なく、GM菜種は事実上栽培されていない。日本への菜種の輸入実績をみると、2002年度はカナダから157.7万トンであるのに比べアメリカからは1085トンに過ぎない。こうした事実もアメリカ産菜種種子、あるいは菜種油粕にGM遺伝子混入が少ない事実を裏付けるものと思われる。しかし、菜種は本来他家受粉性であり、アメリカで僅かでもGM菜種の栽培が行われていれば、種子自体の汚染も起こることは十分予想される。従って、今後もアメリカ、カナダからの輸入種子については、輸出元証明書だけに頼ることなく、国内での個別検査が必要である。

 

問い合せ:ストップ遺伝子組み換え汚染種子ネット

     TEL/FAX:046-276-1064  

E-mail:irihome@js6.so-net.ne.jp

 

 

 

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