GMイネ生産者ネット#197

2002.10.1 農業情報研究所HP

 

イギリス:消費者協会、GMの長期影響監視と研究などを勧告

 

イギリス政府は遺伝子組み換え作物に関する公開論議の開始を告げたばかりであるが、9月30日、イギリスの消費者協会が、世論は依然としてGM作物に不安を抱いているというレポート『GMのジレンマ』を発表した。

 

 1000人を対象とする調査の結果によれば、消費者の3分の1近くがGM作物から作られた食品は受け入れられるとしているにもかかわらず、45%はGM食品とその成分を避けようとしており、64%がそうとは知らずにGM成分を食べることになるかもしれないと恐れている。さらに、調査は次のことを明らかにしている。

 

 ○ 消費者はGMから最大の利益を得るのは、この技術の開発者であると考えている。

 ○ 57%の消費者は食品生産におけるGMの使用に懸念を抱いている。主要な関心はそれについて十分に知らないことである。

 ○ GM動物やGM魚は11%の消費者が受け入れているにすぎない。

 

 GM表示改善のためのEUの提案(EU:遺伝子組み換え体に関する新規則案、02.7.5)へのイギリス政府の抵抗、イギリスにおけるGM作物の商用栽培の是非に関する来年の決定、来るべきGMに関する論議を背景に、消費者協会は、次のことを勧告している。

 

 ● 公開論議は無内容な広報活動の実習になってしまってはならない。それは意味があり、有効で、広範でなければならず、結果はGM作物の商用栽培の是非に関する決定を含む将来の政府の政策に反映されねばならない。

 

 ● 調査の結果に鑑み、次の問題への取り組みが完了しないかぎり、市場に入ってくるようになるさらなるGM製品とイギリスにおけるGM作物商用栽培は禁止されねばならない。

 

○ 消費者の心配への有効な配慮、

 ○ 一層開放的で、透明で、包括的な規制のプロセス

 ○ GMの人間の健康と環境への長期的影響の監視のためのメカニズム

 ○ GMの長期的影響の一層独立した研究

 ○ 組み換えの結果としての意図せざる影響を拾い上げる(収集する)ためのメカニズムの改善

 ○ GMOの完全なトレーサビリティ

 ○ GM成分は、最終製品に何が発見されるかというよりも、何が使用されているかを基準に適切に表示されねばならず、表示ルールが有効に執行されねばならない。

 

 

戻るTOPへ