反GMイネ生産者ネット#196
02/09/15
ニッポン消費者新聞
ヨーロッパ諸国で、大豆・とうもろこし製品約3割からGM検出
ドイツ「商品テスト財団」が調査
ドイツやフランスなどにおいても大豆やとうもろこし製品に遺伝子組換えのものが広く混入している。ドイツの消費者団体が昨年と今年の2回にわたり調査を実施、今年の調査では250品目中、約三割にあたる78品目で混入が確認された。9月5日に開かれた遺伝子組換え食品いらない!キャンペーン主催の集会で天笠啓祐氏代表が報告した。
調査は、ドイツの政府系機関「商品テスト財団」によるもので、昨年と今年2回の調査を行ない、その結果を機関誌『テスト』2000年8月号と2002年6月号に掲載した。
第一回目の調査では、ドイツ市場に出回るとうもろこしあるいは大豆を原料に使用した食品82品目を対象に実施。その結果、31品目で遺伝子組換え作物の混入が確認された。そのうち、3品目では混入率が最大20%と、極めて高い割合で遺伝子組み換え作物が混入していることがわかった。
2回目の調査では、欧州委員会の助成を受け、ドイツに加えて、フランス、チェコ共知国、アイスランド、オーストリア、スロベニア、ポーランドの各国の合計250品目を対象に検査を実施。
その結果、全体の3割にあたる78品目が陽性だった。うち、5品目については、遣伝子組換えの割合が1%以上だった。
天笠氏によれば、「ヨーロッパでは現在、遺伝子組換え食品の表示は、これが入っていないことを前提に実施されていない」という。また、このテスト結果は、EU議会で重く受けとめられ、今年7月に全食料品を対象とし、混入許容率0.5%という厳しい表示基準案が可決されたという。
日本では農水省の調査で「有機」表示の豆腐・納豆製品の3割以上から組換え遺伝子が検出されたばかり。詳細は農水省で調査中だが、原料には外国産の有機大豆が便用されていた。
この点について、天笠氏は、「米国では、大豆作付け面積の75%が遺伝子組換えというなかで、有機栽培したものだけを日本に輸出しようとしても無理がある。大豆はとうもろこしほどではないが、現地で交雑するし、流通の過程でも二次汚染(混入)する。さらに工場で三次汚染がある。そんな状況で(有機食品に)3割の混入というのは、当たり前といえば当たり前。米国に作物を依存しているかぎりこうしたことは起こる」と、有機表示の実効性について厳しい見方を表わしている。