遺伝子組換え食品を考える中部の会では、国道23号川越IC出口より『小舟江北』交差点、さらに、中勢バイパス新屋庄町ICを経て、同バイパス終点(2019年現在)鈴鹿市野町までのナタネ調査をおこないました。

例年、この時期に雑種と思われるナタネが多く確認されることから、春の抜取隊とは別に調査をおこなっています(昨年の調査の模様はこちら)。

今回の調査で採取したナタネの中から10個体について簡易検査をおこないました。うち、雑種と思われる4個体について、簡易検査の結果、3個体がGM陽性(ラウンドアップ耐性:2、バスタ耐性1)と判明しました。

要因について判ってはいませんが、今回についても、採種されたセイヨウナタネについてはバスタ(LL)耐性、雑種についてはラウンドアップ(RR)耐性である確率が高いという傾向が見受けられます。

全般的に、国道23号沿線では、例年と比べてセイヨウナタネ、雑種ナタネともに個体数は減少の傾向があるように見受けられます。

中勢バイパスを経由してのナタネ輸送
今回は2016年9月以来となる、中勢バイパス・嬉野新屋庄町インターより北進する道路の調査も行いました。この道路は国道23号のバイパスとして建設中で、松阪市『小津町』から鈴鹿市野町までが開通しています(国道23号『北玉垣町』交差点までの3km弱を残すのみで、全線開通は2020年2月)。

今回の調査でも、嬉野新屋庄町からの中勢バイパスで、目視で多くのセイヨウナタネを確認。また、津市『久居相川』から『半田東』交差点までの区間で、複数のセイヨウナタネを採取しました。うち4検体に簡易検査を行なったところ、3検体に除草剤バスタ耐性を確認。同バイパスでも、GMセイヨウナタネの輸送が行われていることになります。
表中、検体No.190616C01、190616C02、190616W07、190616W09 については、そのPCR検査を農民連食品分析センターに依頼したところ、表中の簡易検査と同様の結果が得られました
近々、さらなる追跡調査を行い、くわしい経路を探る必要があります。(追跡調査は6月30日に行ないました

今後、同バイパスが全線開通すれば、さらにナタネ輸送が頻繁に行われるようになることは必至。また、無歩道の区間が多いため、実質、抜取り作業は困難となり、GMナタネ汚染が深刻な状況ともなりかねません。

この一帯は農耕地帯がひろがっており、大きな問題もひかえています。


・中勢バイパス
伊勢市から愛知県豊橋市までの国道23号のうち、松阪市『小津町』から鈴鹿市『北玉垣町北』までの約40kmの自動車専用道路。2019年現在、92%が開通済み。





『貝塚町北』付近

『江島台2』付近の No.2

No.2(RR陽性)

『寺家5』付近で採取

『藤方』付近 No.4(RR陽性)

関連製油会社付近の No.9と10

中勢バイパス/津市『久居相川町』付近のNo.5(LL陽性)

『半田東』の南 No.7(LL陽性)

簡易検査の様子