名古屋港潮見埠頭‐船見町‐竜宮町(県道225)
名古屋港北浜埠頭南3区周辺
2006/05/20

GMナタネ自生追跡調査



調査結果---------
潮見埠頭周辺の調査結果
北浜埠頭南3区周辺
昨年10/26、潮見埠頭日清オイリオに対して会見をさせていただきました。

その際確認されたこと
製油所からはナタネのトラック移送はしていない
大豆の移送しか行なっていない
GMナタネの自生について心当たりがない
ナタネについてはカナダからの輸入で分別管理は行なっていない

とはいえ、現実としてセイヨウナタネの自生が確認され、さらにGMも含まれているという事実があることにはちがいありません。

そこで遺伝子組み換え食品を考える中部の会では、その後の状況を把握すべく、潮見埠頭から船見交差点、さらに国道23号へ至る県道225沿線の追跡調査を行ないました。

なお今回、北浜埠頭南3区の一部の調査もあわせて行ないました。これは昨年1/6に調査しきれなかった区域です。



名古屋港潮見埠頭‐船見町‐竜宮町(県道225)

今回は昨年(2005)4月8月以来の調査でした。

とくに昨年4月に大群落の見られた中央倉庫前では、自主的に除草作業が行なわれたものと思われます。昨年見られた中央倉庫前のGMナタネの群落は、下の写真のように、今年は完全に処分され姿を消していました。


事態は改善されたか
今回ここで明記しておかなければならないのは、昨年に引き続き、今年もあいかわらず状況は改善されていないということです。

確かに各関連企業の敷地内では、自主的な除草作業が行なわれているのですが、道路脇といった、むしろ公共の部分での除草管理が行き届いていないという現状が見受けられ、問題です。
06/5/20 の中央倉庫前(あいかわらず手前の市道沿いの除草は行なわれていない)

05/4/7 の中央倉庫前

製油所から船見町交差点までの道路沿いでは、あいかわらず雑草に混在する多くのナタネを確認、採取しました。

あらたにLLナタネを確認
そして特筆すべきは、今まで名古屋港では検出したことのない除草剤バスタ(リバティーリンク)耐性ナタネを確認したことです。しかもその数は5検体におよびました。

このことから、昨年8月以降にも、さらなるナタネのトラック輸送によるこぼれ落ちが起こっているのではないかという疑いすら起こってきます。

せめて除草作業だけでも
一年に2回程度、定期的な除草作業が行なわれるならば、少なくともナタネの世代交代は防げるはずです。



名古屋港北浜埠頭南3区周辺

05年1月に調査をしましたが、今回は未調査の区域について重点を置きました。

前回にひきつづき今回も、組み換えナタネは確認されませんでした。ここ北浜埠頭南3区には、多くの飼料工場があります。

にもかかわらず、私たちが調査した道路脇では、輸入穀物の自生はあまり確認されていません。

その理由として次の点が挙げられます。
飼料の原料となる穀物のすべてが埠頭で陸揚げされ、ベルトコンベアーで埠頭内の工場に直接移送されている
製品として出荷される飼料は加熱・圧片・粉砕されるため、発芽能力がなくなる
きびしい検疫のもと、輸送用トラックは密閉型構造になっている(こぼれ落ちが起こりにくい)

これに対して搾油用ナタネの輸送については、管理がずさんともいえます。搾油のための選別、化学的・熱処理などが行なわれるため、検疫や衛生管理の必要がないこともその原因かもしれません。

しかしながら飼料用、食品用を問わず、原料穀物がこぼれ落ちなどで逸出することについて、何の配慮もなされてこなかったことは問題です。

いくら飼料や食品とはいえ、それ自体が土に落ちれば発芽し、花を咲かせ、結実する『種子』であり、一個の生命体なのだという認識が必要です。