遺伝子組み換え食品を考える中部の会(以後中部の会と略)では、昨年に引き続き、第二回『遺伝子組み換えナタネ抜取隊』を2007年11月3日に行いました。

中部の会では、昨年7月、四日市港より津市に至る国道23号沿線に自生するセイヨウナタネの自然界への拡散の兆しを確認したことから、以後、それまでの調査を中心とした活動から駆除を目的とした抜取へと移行しました。

その一環として、環境に関心の深い一般の市民にも参加を呼びかけ、昨年2006年11月25日、第一回『遺伝子組み換えナタネ抜取隊』を行いました。約50名の参加協力を得、60kgほどのセイヨウナタネの抜き取りをすることができました。

今回が一般の参加者を募っての抜取隊としては第二回目、一年ぶりの行動となりました。参加者は昨年を上回る65名と市民からの関心の深さがうかがわれました。

近鉄白子駅前、新生公園に集合

23号線での抜取作業

今回の『遺伝子組み換えナタネ抜取隊』について
今回の抜取隊では、昨年よりも充実したものとなるよう次のような要領で実施しました。

二度目の抜取隊ということで、セイヨウナタネの見分けの付く経験者が多いため、グループ分けを多くし(12グループ)抜取の範囲を広げた
先回はできなかった津市より四日市港方面の反対側車線の道路わきの抜き取りもおこなう
抜取ったセイヨウナタネのGM判定率を正確なものとするため、回収したすべての検体の中から無作為抽出したものをそれぞれ単独でGM判定をおこなう
先回抜取りをしなかった区域のうち下記についても抜取りの範囲として加える
四日市港より県道6号線を経て、23号海山道一交差点まで
四日市市浜町交差点より内部川塩浜大橋までの国道23号線
安全を第一とし、中央分離帯の抜取りはおこなわない
昨年と同様、参加者全員保険に加入
あらかじめ四日市警察署に道路使用許可申請を、国土交通省三重河川国道事務所に道路作業届を提出受理手続きをする
各グループ『遺伝子組み換えナタネ抜取中』のプラカード、安全ベスト(関連製油会社提供)を着用し、安全確保のための監視員を各グループに一名確保

今回の抜取隊で明らかになったこと
今回の抜取隊で次のことが明らかになりました。
・抜取隊の行動範囲を広げたにもかかわらず、抜取回収したセイヨウナタネの量が1/2ほどに減少した
あいかわらず中央分離帯でセイヨウナタネが確認されるものの、その個体数は明らかに減少している
開花するほどに成長したセイヨウナタネの回収が減った
セイヨウナタネと間違って回収される個体が少なかった
とくに交雑の危惧のあった内部川・塩浜大橋下の河川敷でのセイヨウナタネの自生が確認されなかった
セイヨウナタネの識別精度が上がったため、幼生固体の抜取り固体数が増えた

以上のような結果に対し、特記事項として次のような点を付け加えておく

四日市港の関連荷役会社による港内と国道164号沿線のセイヨウナタネの撤去作業が継続的におこなわれている
関連製油会社による全社的な抜取活動が継続的におこなわれている
近畿日本鉄道の協力による、千里(ちさと)駅付近、鉄道敷地内のセイヨウナタネの撤去がおこなわれた
11/4の伊勢駅伝を控え道路清掃がおこなわれた
国道23号線と主な河川敷を管理する国土交通省河川国道事務所による例外的なセイヨウナタネ撤去作業がおこなわれている
国道23号線中央分離帯のナタネ撤去
内部川河川敷(23号沿い)の春先の除草

以上のように各方面団体の協力を得られたことで、昨年の『抜取隊』と比して充実した今回の活動が可能となり、さらにはセイヨウナタネの勢力の明確な劣勢化という現況を把握することができました。