回収されたセイヨウナタネのGM検査結果 |
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検査結果の詳細 これは過去1年、四日市港・名古屋港周辺で共通していますが、除草剤バスタ耐性(LL:リバティリンク)セイヨウナタネの確率が高まっています。中部の会が調査をはじめた2004年から05年にはラウンドアップ耐性が大勢をしめていたにもかかわらず、2006年夏以降からバスタ耐性が大きく勢力を逆転するという傾向となっています。 今後の『遺伝子組み換えナタネ抜取隊』 昨年の『抜取隊』での詳細さにおける不備、また今回でも回収されたセイヨウナタネの重量の把握ができなかったことなどで正確な比較には至らないものの、今回の『抜取隊』では快方への大きな進展が確認されたものと確信します。 2004年から調査活動をはじめて以来、関連機関・団体、個人、行政、マスコミなどの協力を得ることができ、今回のような経過を確認することができました。 名古屋港周辺の今後について 一方、名古屋港潮見埠頭周辺に目を転ずるにつけ、まったくの手付かずというのが現状といわざるをえません。四日市港から津市の間の40kmと比べその1/10ほどの距離の間の問題であるにもかかわらず、改善の兆しがないのには愛知県での各方面からの協力体制が得られていない点が大きな妨げになっています。 中部の会としては、関連製油会社、名古屋市や愛知県とも関係作りをし、何らかの協力体制を持てるよう努力する必要があると考えます。 食品を提供するという立場から、食の安全とは人の健康ばかりでなく、それを包む自然環境にまで配慮をしてはじめて確保されるものではないでしょうか。これはいまさら言うまでもないことですが、それらは包括して、食に関連する立場のものにとって、まず始めに在らねばならない義務なのだから。 遺伝子組み換え生物のあつかい いったん自然界に放たれた外来生物について、その駆除、抑制、さらには解消撲滅を貫徹することは非常に難しいことです。それは日本国内で起こっている外来生物による、在来生物に対する脅威という現実をみても明らかです。 遺伝子組み換えセイヨウナタネが実際に自然界に及ぼす影響について、決定付けることは現段階ではできません。しかしながら、特別な形質をもった、あるいは自然界ではありえないタンパク質を有する生物が起こしうる影響については「わからない」というのが現状です。また今後、さらに異種の遺伝子組み換え生物の自然界への放逸も起こるかもしれません。 実際に遺伝子組み換え生物を扱う研究者や業界関係者においては、それに対する十分な配慮が必要です。また遺伝子組み換えナタネのような遺伝子汚染が、私たちの知りえぬ方面でも起こっていないとも限りません。 わたしたちを包む自然環境が健全でなければ、その中で生活する私たちの健康も健全なものとはなりえません。今後の各関連団体、個人の協力体制による活動が実を結ぶよう強く希望します。 最後に 中部の会のおこなっている活動はごく一部の地域でのものにすぎません。われわれの知りえないところでこのような自生・拡散が起こっている可能性も否めないのです。その可能性を考えると、他のナタネ輸入港での同様な活動や、現在消費者団体により全国的な規模でおこなわれている調査活動などのさらに強力な連携がのぞまれます。 三重県でのセイヨウナタネの拡散防止のために協力をしていただいた関係機関、団体、個人の方々に深く感謝いたします。今後もどうかよろしくお願いします。 |