ストップ!遺伝子組み換えイネ全国集会 集会アピール |
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現在、トウモロコシ・ダイズ・ナタネ・を中心とする遺伝子組み換え作物は、種子を通じて深刻な遺伝子汚染を引き越こしています。1996年より遺伝子組み換え作物の大々的な商業栽培を開始したアメリカやカナダでは、既に純粋な種子の生産は困難とまで言われています。当初より大規模なスケールでの商業栽培によって引き起こされる事態は、限られた規模での試験栽培では到底予測できないと強く懸念されていましたが、現実となってしまったのです。トウモロコシやナタネ、ダイズなど、作物の種子に多国籍企業の支配が進む中で、種子も貿易の対象とな、今や汚染された種子による遺伝子汚染が地球規模で拡がりつつあるのです。 EUでは、在来種のトウモロコシ種子の7〜41%にGM汚染が確認され、イタリアでは市販の種子でNON−GMといえるのはトウモロコシで14%、ダイズで6%とまで言われています。トウモロコシの遺伝的な原種の宝庫であるメキシコでも種子の1〜8%に汚染が発見されています。輸入大国の日本でも例外ではなく、昨年国内で栽培された飼料用トウモロコシ(デントコーン)種子の40%から汚染が確認され、スターリンク等栽培認可の下りていない組み換え体も検出されています。 こうした環境影響も明らかとなった今、日本の主食であるイネの遺伝子組み換えは、到底容認できません。中でも愛知県は多国籍農薬企業であるモンサント社に手を貸し、「祭り晴」への除草剤ラウンドアップ耐性を導入する研究を進めています。モンサント社は、日本国内での栽培だけではなく、アメリカで大々的にラウンドアップ耐性イネを栽培して日本ヘ輸出しようと、日本で食品として認可されるのを狙っているのです。万一、遺伝子組み換えイネが大規模に商業栽培されるようになった時、イネやイネ科の雑草などとも交雑し、遺伝子汚染が拡がり、環境に及ぼされる影響の重大さは測りしれません。一旦遺伝子の流出が始まると人間には制御することは出来ないのです。現に多種類の除草剤が効かないスーパー雑草も登場しており、また殺虫毒素の土壌への残留などの新たな環境破壊も起こっています。 おコメは私たちが毎日食べる主食であり、リスクは他の食品とは比べものになりません。この狭い国土の生産現場で組み換え、非組み換えの分別は、現状ではまったく不可能と言わざるを得ず、さらに流通段階で低コストの遺伝子組み換え米の不正混入も間違いなく起こるでしょう。消費者の望むと望まないとに関わらず、遺伝子汚染はここでも着実に現実となってしまうのです。 また『祭り晴』は、愛知県だけではなく神奈川県でも学校給食に使われており、このまま遺伝子組み換えイネへスライドして、子どもたちが食べさせられるのではないかとの不安も親たちの間で広がっています。食品として食べ続ける時の安全性を評価する審査は、現在大変問題のあることがわかっており、科学的に安全性が確認されたものでは決してありません。 生産者にとっても「収穫量が増える」「農薬が減る」「世界の飢餓を救う」とバラ色に謳い上げられた遺伝子組み換え作物の現実は、今「収穫量は減り」「農薬は増える」等、メリットのないことがはっきりしました。世界的に栽培の広がった遺伝子組み換え作物は、多国籍農薬企業が自社の農薬を売りさばき、食料支配を進めるために開発したものであることが曝露されたのです。 今、愛知県と愛知県農業総合試験場の遺伝子組み換えイネの研究に対し、全国から怒りの署名が続々と寄せられています。私たちは、遺伝子組み換えイネの開発に反対し、研究の中止を求めます。また、安全性審査の申請を即刻取り下げるよう、そして国に対しては遺伝子組み換えイネを認可しないよう、強く求めるものです。 |
2002年7月6日 全国集会参加者一同 |
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