英国で有機圃場をGM汚染から守る法律を起草中
インディペンデント紙
2001年5月13日
コリン・ブラウン/ジョフリー・リーン
抄訳 山田勝己
ヨーロッパで最大の有機農業研究センターが、英国のGM栽培試験で汚染される可能性が報じられて、これを守るために新法が起草されている。
GM作物生産者が有機農業などに損害を与える場合、汚染者が責任を問われることになる。GM反対者はミッドランドのダブルディ種子銀行近くでGM種子が播かれないよう警戒にあたった。
環境大臣のミシェル・ミーチャー氏は「生産物責任」法を起草中である旨議員に伝えた。また、氏は国立有機種子銀行がウオルストン試験圃場の2マイル以内にあることを知らされていなかったことに立腹していると伝えられている。
アベンティスと科学委員会、シマックは試験栽培を止めるよう大臣に言われているが、委員会議長のクリストファー・ポラック教授はこれに抵抗している。
ミーチャー氏は大臣の椅子をかけて掛け合うことになりそうである。
トニー・ブレア首相は、科学の進展を止めることには反対の表明をしている。
ミーチャー氏はGM作物生産者は近接する圃場に知らせる義務を法的に課するよう求めている。
英国土壌協会は、GM花粉で汚染された農場は認証を取り消すと警告している。
GM企業は賠償するとなれば非常に慎重にならざるを得なくなると労働党の議員は話している。
政府諮問機関内でGM試験栽培で対立
インディペンダント紙
2001年5月12日
ミシェル・マッカーシー 環境編集長
抄訳 山田勝己
コベントリー郊外にあるヨーロッパ最大の有機農業研究センター近郊でGM作物を栽培することに関して、政府諮問機関に対立が起きている。これまで、GM作物の試験栽培推進の有力な協力者だった王立野鳥保護協会がヘンリーダブルディ研究所の有機圃場近くでのGM試験栽培を止めない限り、栽培管理をしている科学運営委員会から脱会すると宣言した。
このサイトの選択は有機農業団体や環境グループの強い憤りをかっている。
野鳥保護協会は、この圃場を試験計画から即刻外すよう申し入れているが、English Natureなどの委員は、委員会にそのような権限がないと話しており、議長のポラック教授もそれに同意していると伝えられている。
野鳥保護協会が委員会から抜ける事になれば、他の環境団体から激しい反対のあるこの実験に対し、環境政策に大きな影を落とすことになる。野鳥保護協会は、これまで試験栽培を支持して非難に甘んじてきたが、この試験はさすがに許せないようだ。
この試験をするのはアベンティスで、世界的な有機種子銀行の近くの圃場を許可したことで政府への不信感と怒りは頂点に達している。有機研究所のメイズがGM花粉によって汚染されれば有機認証は取り消される。これは壊滅的打撃だと所長のアラン・ギアは話す。環境大臣のミシェル・ミーチャーは、止めさせる法的権限が無いという。アベンティスには連絡がつかなかった。
ジェフ・ルーカー MAFF下院食品衛生大臣
1998年7月30日
「遺伝子組み換えが、単に自然の進化を早めているという議論には反対だ。 種の壁を変えているのにそんなことはあり得ない。医療面では取り締まりがあるのだが、食品と農業には残念ながら無い。
有機農業の拡大が、GMの導入で妨げられないようにするために全力を挙げる。 政府は財政的に非常に厳しい状態にありながら有機農業に貴重な財源をつぎ込んで、GMに反古にされるような馬鹿なまねはしてはならない。」
以上の記事は 有機消費者協会(Organic Consumer Association)、UKより