有機農業に影響を与える非GM作物の汚染
クレア・ミラー
環境レポーター
ザ・エイジ(オーストラリア)
2001年4月30日号
翻訳 河田昌東
オーストラリア有機農産物連合によれば、北アメリカから輸入されるコーンや菜種などの有機農産物は、もはや遺伝子組換え体が混ざっていないとは保証できない。
同連合は消費者に対して、GM汚染が今北アメリカで非常に広がっているので、輸入ものの原料を含む食品は試験なしには非GMとは保証できないと警告している。
この警告は、民間のアメリカ有機農産物確認団体Farm Verified Organicからの国際有機農業運動連合に対する警告にしたがったものである。
この確認団体によれば、「コーン、菜種、そして恐らく大豆のGM汚染も今やひどく広がっているので、北アメリカの農民がGMフリーの種子を探すのは不可能だと思う」。
「我々はもう真実を悟らなければならない。もし、我々がこれらを有機農産物と認証しようとするなら、潜在的なGMO汚染が種子自身に存在するのを認めざるをえない」と幹部は言った。
ウオールストリート・ジャーナルの調査を含む最近のメデイアの報道では、GMフリーという表示のある20種類の有機農産物を試験した結果、16種類に大なり小なりGMの混入があった、という問題に焦点をあてた報道をしている。このことは、アメリカ農務省関係者によって、80の種子会社のほとんどが自社のコーン種子にスターリンクの混入を認めたということでも裏付けられる。スターリンクは人間への安全性に疑問があって家畜飼料にしか認可されていなかったが、昨年タコスの皮に見つかっている。
オーストラリア有機農業連合の広報担当のスコット・ケニールは、消費者に北アメリカで危機的状況が起こっていることを知らせ、輸入会社はアメリカの供給者に対して試験結果が非GMであることを要求すべきだ、と言っている。
彼は、この問題は、有機企業にGMゼロの受容を押し付けることを意味するオーストラリアの規制の欠陥を明らかにした、と言った。「消費者はそれが本物と思って有機農産物を買っているのだから、我々はアメリカにおけるこの問題を消費者に知らせる義務がある」とケニール氏はいう。
彼はまた、ビクトリア州の緑の党上院議員主席候補者として活躍しているが、アメリカの問題で、作物を汚染されたオーストラリアの農民が裁判に訴える権利を持てるように、遺伝子技術規制法を新たに改定をする必要が強まった、と言った。
GM作物はオーストラリアでは一般には栽培はされてこなかったが、連邦政府は大部分の州で試験栽培を認可している。