"青山晃一"
パーシー・シュマイザーさん名古屋講演会のお礼と感想
パーシー・シュマイザーさんの講演を聞き、激励の握手をする機会に恵まれました。思いついたままレポートします。
*多国籍企業と行政が、違法に個人農家を追い詰めている事実まず強調したいのは、今回のパーシーさんに起こっていることは「食と農の市民運動」として取り組んでいる問題なのですが、それ以前にモンサント社という多国籍企業の明確な犯罪だということです。
それは素人でもわかる「不法侵入」「窃盗」。 モンサント社の私設警察官(モンサントポリス=カナダ連邦警察退
職者、しかも顔見知り)が、公然とパーシーさんの畑の作物のサンプルを無断で持って行って、パーシーさんが契約していないGMOのナタネを「発見」したと告訴している。
地元警察は動かないのか質問したところ、「はじめは警察に訴えたが、動かない。理由は
1、 モンサントポリスたちが元同僚なので目こぼしする。
2、 地方行政として資金豊富な多国籍企業を告発するのにはたいへんな金がかかるのでやらない。
というお答えでした。
何ということでしょう。ここでも金です。食料や環境、健康も源の問題が、大企業の金、行政の金(ブッシュへの献金など)、元警察官のしがないアルバイトの金のために踏みにじられています。
「不法侵入」「窃盗」に加えて、「脅迫」も公然と行われているそうです。ライセンスなしにGMO作物を栽培したら「お前たちの農場をとりあげてやる」。モンサントポリスを追い返した農家の畑には、飛行機がやってきて除草剤のスプレー爆弾を落とす。もし枯れなかったらGMO種を無許可で栽培していたと立証できる、というむちゃくちゃな暴力です。
・・・・香川県の不法産廃投棄で戦った、豊島の人々と中坊公平弁護士を思い出します。カナダに中坊さんはいないのか?
農業に関心の薄い方にも、農産物の種を支配して儲けるためにモンサント社がやっていることが、アメリカが先導するグローバリゼーション経済の行動原理と資金運用を支えていることは、容易に連想できるのではないでしょうか。
講演の骨子になる、農業者の権利と企業の特許権の戦い、環境汚染の問題、健康と安全性も問題、については実行委員会のほうで作成配布くださった詳しい資料集に克明に記述されています。
*パーシーさんの体力と論旨
71歳とは思えぬかくしゃくたる紳士ぶりで、たいへん理路整然、明瞭な発声、滑らかな論旨、で聞きやすいものでした。地方議員を務めておられたそうなので、日本で言えば地元名士なのでしょうか。
通訳者の女性のうまさも貢献大です。
田中さんがくださったの全国行脚の日程にたいへん驚いたので、講演後、ご本人に「毎日遠方へ移動して講演でお疲れになりませんか」とねぎらいつつお聞きしたところ、
“no” と柔和に微笑んでおられました。それどころか実行委員がパーシーさんのスーツケースを運ぼうとするのを見て、重いから大丈夫かと気遣う有様でした。驚き。負けてはおれぬ。
パーシーさん、ありがとうございました。わたしも勇気付けられ、明日への指針を再確認できました。