種のGM汚染は避けられない 

 

EUグループ( ディビッド・ブラグ )

ロイター・ニュース・サービス

4月6日 (ローマ発)

訳 山田勝巳

 

EU科学委員会(SCP)は未承認GMの種子への混入は不可避だという。委員会は意図せずに含まれるGM原料の表示義務の敷居値を改訂する必要があるともいう。改訂するとなれば、敷居値は上がらざるを得ない。

「委員会は未承認GMの許容ゼロは事実上無理だと考えている。理想的な状態で種を栽培したとしても、現在の科学的知見では0.3%が他家受粉、0.5%が自家受粉作物で可能な値だ。しかもGMの作付けが増えてきている現状では、0.3%や0.5%でも難しくなってきている」という。

ヨーロッパ委員会は1999年10月にEUで販売する食品で原材料の一つでもGM  DNA又は蛋白質を1%以上含むものは表示しなければならないと決定した。この敷居値以下では表示義務はない。「そのうちに委員会の設定した1%は改訂する必要があるかもしれない。」とSCPは語る。ヨーロッパ委員会は科学委員会の意見を現在検討中である。

 

ゼロ許容への挑戦

委員会の意見はイタリア政府のゼロ許容と衝突する、例えばイタリアは先週モンサントの未承認GM原料が含まれていると考えられる種を押収した。押収後直ちにイタリア農業大臣のアルフォンゾ・ペ・オラーロ・スカニオは、交配によるGMの広がりで農業が”GM汚染”の可能性があると警告を出し、21の種子会社を検査するように命じた。   緑の党の党員でGM食品の強硬な反対者であるペコラーロ・スカニオは、ミラン市にモンサントの種子輸入許可を停止するよう求めた。イタリアでは健康と環境への影響を心配するためGM種子を解放圃場で使うことを法律で禁じている。モンサントは法律に従っており、生産過程で僅かにGM因子が混ざるのは避けられないことだという。

ボローニャに本拠のあるイタリア種子協会は、ペコラーロ・スカニオへ10月に出した手紙の中で、完全にGM因子を含まないという保障はできないと伝えている。

 

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