アメリカの報告書は日本と韓国をなだめることに失敗
Jae Hur
東京発ロイター(6月14日)
訳 河田昌東
アメリカのトウモロコシの2大輸入国である日本と韓国の穀物輸入業者らは、スターリンク・コーンと人間のアレルギーに関係が無かった、というアメリカの報告書に仕方ない、と肩をすくめてみせた。
アメリカ疾病管理センター(CDC)は水曜日(13日)に、昨年秋に十数名のアメリカの消費者が訴えたアレルギー反応と未承認の遺伝子組換えコーンの間に関係があるという証拠は見つからなかった、と発表した。
フランスとドイツの合弁グループのアベンテイス社が開発したスターリンクは発疹、下痢、呼吸困難などのアレルギー症状を引き起こす可能性がある、という理由で人間の利用には許可されていなかった。スターリンクに含まれる問題のCry9Cたんぱく質は有害な害虫から植物を守る。
「このアメリカのアナウンスがあっても、我々のコーン輸入は変わらないだろう」と主な商社のトレーダーは言った。「これがアメリカで人間用に認可されない限り、日本でスターリンクに関する見方が変わることはないだろう」
4月に日本の厚生労働省は未承認のバイテク製品の輸入に関するガードを新たに厳しくする法律を作り、港での水揚げの際と国内でのマーケットでの未承認のGM作物のチェックをはじめた。
昨年10月、消費者グループによる食品中のスターリンク検出は、スターリンクが家畜資料としても承認されていない日本へのアメリカのコーン輸入削減をもたらした。その結果輸入業者らは他のソースに供給先を探すことになった。日本は毎年食用のコーンを4百万トン、その他に家畜資料用に1200万トンを輸入している。
韓国はアメリカのコーンから撤退
韓国コーン加工工業協会は先週末、それまでの契約を破棄してアメリカ産のコーンの代わりに別の国外コーン供給先に変更した、とソールのトレーダーは語った。
同協会は、年間約200万トンのコーンを食用に輸入しているが、10月分としてすでに買い付けを済ませていた。そのうちの何がしかはアメリカ産と言明していた。また、その他に韓国は家畜飼料用に年間6百万トンを輸入している。
「これはアメリカのコーン出荷におけるスターリンク・コーンの混入を避けるためだ。しかし、プレミアムが高いので輸入先を変更するのは大変だ」と参加企業のトレーダーは言った。
スターリンク・コーンに関する心配は、今年はじめアメリカと韓国の合意に基づいて正式の非スターリンク証明のある輸入コーンから微量のスターリンクを韓国政府が検出してから深まった。
トレーダーたちは、アメリカ政府の水曜日の声明は、韓国の国内食糧輸入に何の変更ももたらさない、と言った。なぜなら、政府がスターリンク・コーンを食用にせず、家畜の飼料としてだけ使うように、とトレーダーたちに言ったからだ。アメリカの環境保護団体が昨年9月に遺伝子組換えコーンをタコスの皮やチップ、その他のコーン製品に検出し、アメリカの食料品中、300品目以上が回収される騒ぎになった。
アメリカの約48名の人々がスターリンクで汚染した食品に関係して7月1日から11月30日までの間にアレルギー反応を経験した、と報告していた。