生産者に注意はなかったスターリンクコーン

荷札には食用に適しているかのような表現

 

ウイリアム・ライバーグ

2001年10月25日 

デス・モインズ・レジスターとトリビューン社 

抄訳  山田勝己

 

バトラー郡の農家ジム・ノートンは、去年の春にスターリンクを買ったとき特に注意がなかったと話す。種子袋についていた荷札を見た感じでは食用の組み換え種子のようだった。ノートンは115エーカーにスターリンクを播いたが、2万ブッシェル以上のコーンが為す術もなく畑に立ったままになっている。アベンティスは、農家が種を買ったときに食用と混ざらないように分別するよう注意を受けたはずだという。

 

ノートンはクラークスビルの近くで農場をやっているがスターリンクを分離するようにとは一度も聞いたことがないし、近所の農家も聞いていないという。約900万ブッシェルのスターリンクコーンが保管や運搬システムに紛れ込み食品加工に回ったと思われる。

殆どの農家がスターリンクに制限があることを聞かされていない。スターリンクを生産した農家や分別しなければならないということを知らされていない穀物エレベーターの運転者はこの状況に困惑している。ノートンはスターリンクが他のコーンと同じに作ったり売ったりできると思っていた。

 

種子袋についている荷札には「この製品は飼料、食用穀物、飼料又は穀物加工用に生産するよう許可されている。」とそれらしきことが書いてある。アイオワでスターリンクを最も多く販売したガースト社は、ディーラーは制限を聞いており、かつ荷札の1枚には制限について生産者の手引きを読むように書かれていると話す。ノートンに種を販売したジム・エリックソンは、条件を説明されたことはないと話す。袋にも注意のような荷札はなかった。

 

アベンティスのスポークスマン リック・ラウンドトリーは国内に3200名の農家が条件に従うと合意書に署名していると説明する。スターリンクはアイオワで135,000エーカー栽培されたが、これは全米スターリンク作付面積の40%に、全米コーン面積では1%に当たる。

 

ノートンには、スターリンクは一袋56ドルと普通は120ドルするのに買い得だった。安値は除草剤とのセット販売のせいもある。ガーストの広報担当ジェフ・ラシナは代理店や直売店に制限のあることは説明会や印刷物で何度も知らせたし、袋の荷札にも栽培上の注意を読むように促してきたという。

 

ノートンがこの制限を知ったのは数週間前に受け取った手紙の中でアベンティスがスターリンクを食品に混じらないようにしているというのを読んだときだ。アベンティスの広報担当ラウンドトリーは販売した種苗会社に説明責任があり、「説明していないのは明らかだ」と話す。これには多くの法律的問題があり、「どう整理するべきかを法律家が判断する典型的なケースだ」とドレーク大学の農業法部長ニール・ハミルトンは言う。

 

 

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