アメリカ農家の遺伝子組み換え作物の今年度作付けはわずかに減少

 

2001110

ロイター(フロリダ州オルランド発)

Randy Fabi 記者

(抄訳)

 

 ロイター通信が、今週開かれたアメリカ最大の農業団体、アメリカ農業組合連合(America Farm Bureau Federation)の年次総会に参加した400の団体に、遺伝子組み換え作物の海外における一時購入停止にどう対応するかアンケート調査をしたところ、多くが今年度の作付けを減らす、と回答した。 それによれば、全体として4%減で、主として遺伝子組み換えBtコーン、ラウンドアップ耐性大豆などの作付け減少の影響が大きい。その他の品種はむしろわずかだが増加の見通しである。

 

 調査に答えた農業団体の約60%は、スターリンク問題はあまり作付け計画には影響しない、と答えたが、少なくとも消費者に不安を与え、短期的には海外への輸出を難しくした、と考えている。アイオワ州のある農家は「スターリンクによる消費者の不安のため、今年はBtコーンを植えないが、人々に遺伝子組み換え作物は安全だと分からせるために、私はもう一度遺伝子組み換え作物を作る」と云った。400団体の作付け面積は354388エーカーである。

 

 アメリカ最大のコーンの顧客である日本はスターリンクの輸出検査体制が国際合意するまではアメリカのコーンは購入しない。遺伝子組み換え食品の表示により厳密なルールを作るヨーロッパもスターリンク購入を停止した。

 

 集会に参加した農家の約81%は輸出穀物の検査を求めるグローバルな要求にも関わらず、遺伝子組み換え作物を分別する計画又はそのための投資をする考えはない、と言明した。

調査結果では、アメリカの農家の今年度の作付けは、Btコーンが15%、ラウンドアップ耐性大豆が4%減少する。

それに対し、その他の遺伝子組み換え作物、例えばラウンドアップ耐性コーンは6%、Bt綿は8%、ラウンドアップ耐性綿は12%増加する。アメリカの農家は11月から2月にかけて次年度のための種を購入する。 調査した農家の56%はすでに今年度の作付けのために遺伝子組み換え作物の種子を購入した、と答えた。

 

 農業リソース調査会社のデイレクター、Dick Smetanaによれば、アメリカのコーンの作付け全体が2000年から100万エーカー減って、7860万エーカーになる見通しである。また別の調査会社スパークス社のJim Sullivanによれば7820万エーカーの予想である。

 

 アメリカの農家は環境保護派の批判で、遺伝子組み換え作物のメリットが不当に低く見られている、と感じている。アメリカの環境保護団体は、政府が遺伝子組み換え作物の健康と環境への安全性を充分チェックすることが出来なかった、と批判している。アメリカ科学アカデミーの専門家委員会は、昨年、遺伝子組み換え作物を慎重に観察、研究すべきだとの文書を発表した。

 

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