アキコ・フリッドさんからの情報

 

OECD、スウェ−デン農業委員会

Lantbruk 2001524

翻訳 廣中昌英

 

スウェーデンでのGM作物栽培面積、22ヘクタールへと大幅削減

 

スウェーデン農業委員会Lantbruk広報部によると、GM作物栽培の作付面積は、2001年は22ヘクタールとなり、2000年の183ヘクタールとくらべ大幅に削減される予定である。GM作物の試験栽培の承認を行うスウェーデン農業委員会(政府組織)は、2001年の作付けに対し、5種類の作物に限って承認を行った。その5種類の作物とは、BAS Plant Science社の2種のジャガイモ、Syngenta社のテンサイ1種類、Sval Weibull社のナタネ1種類、Swedish Agricultural University SLUのリンゴの木1種類である。2種類のジャガイモについては、遺伝子組み換えを行いデンプンの組成を変えてある。ただし、それは食用としては使用されず、製紙業においてそのデンプンが利用される予定である。テンサイとナタネについては、遺伝子組み換えの結果、除草剤グリフォサート耐性となっている。リンゴの木については、木の根茎が植物の生長促進ホルモン、オーキシンに対して反応を高めるための調査用である。

2001年のスウェーデンにおけるGM作物栽培面積は、1999年の405ヘクタールと比較した場合、現在はその5%足らずの面積である。2000年に作付けされたGM作物183ヘクタールのうち、146ヘクタールはジャガイモによるものであった。また、商業用のGM作物の栽培は、現在スウェーデンにおいて行われていない。

[スウェーデンにおけるGM作物栽培面積の変化:1998年−353ha1999年−405ha2000年−183ha2001年−22ha]

(スウェーデン農業委員会のGM作物栽培情報へのアクセス先

http://www.sjv.se//genteknik/faltforsok/faltforsok.htm

 

スウェーデンでの法律におけるGMOへの倫理面での扱い

 

 あらゆる種類の遺伝子組み換え生成物に関して、それを意図して市場に出すことや限定的に使用することも含めて、スウェーデンの法律は、人の健康および環境を守ることをその目的とし、同時に遺伝子組み換えの倫理的側面も考慮している。スウェーデン農業委員会が、立法に必要とされるすべての情報を踏まえて法案の告知を行う際には、他の政府機関、科学組織およびNGOがそれに対して助言を付すよう回覧がなされる。その評価には、環境リスク評価も含まれている。この評価ならびにその法案の告知に関与している様々な組織の行った助言が、法案の決定に対する一つの基準となる。次にそれが、環境保護庁と遺伝子技術諮問委員会に送られ、そこでさらに審議が行われ、決定がなされることになる。

 スウェーデンでの法律には、法案が最終的に承認される前に倫理的な問題が審査されなければならないという条項がある。遺伝子技術諮問委員会の重要な任務の一つは、こうした倫理面での問題をきちんと考慮に入れることである。スウェーデンでの倫理と遺伝子に関する議論の中心は、遺伝形質転換動物における問題ならびに人と動物の両方の遺伝子、あるいはそのどちらかの遺伝子を食物に組み入れて使用することの是非におかれている。倫理的な問題として、長期間での生態への影響ならびに遺伝子工学がどのような社会経済的な影響を及ぼすのかといった問題も含まれ、最近では、抗生物質耐性のマーカー遺伝子の使用、特に食物や飼料にそのマーカーを用いることの是非が問われている。

 

詳しい情報についての問い合わせ先:

スウェーデン消費者連盟:info@konsumentsamverkan.se

 

 

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