組み換え作物論争はノース・ダコタ(N.D.)の農家に不利か
Jerry W. Kram ビスマーク・トリビューン 3月16日
訳 山田勝巳
州の上院農業委員会は、ノース・ダコタにおける遺伝子操作農業の将来をどうするか再度検討した。 上院法案1442は、許可無しに特許作物を作っている者が居ると疑われるとき、企業がどのようにサンプルを取るかを規定するためのもの。
法案支持者は農家に必要な保護措置をするものだといい、モンサントは、法案は憲法違反で最終的にはノース・ダコタの農家に不利になるものだという。
種を取っておいて次の年に播くのは、多くの農家で普通に行われている。しかし、モンサントのような企業から遺伝子組み換え種子を買う場合は、禁止事項で農家はこの契約にサインする。
発起人のダグ・ラミュー共和党議員は、この法案の規定はGM作物の特許を持つ企業と、それを作る農家の間の争いを防ぐものだという。ノース・ダコタ農業者組合とダコタ資源協議会(Resource Council)も法案に肯定的だ。「この法案は検査や立ち入りの方法について規則やガイドラインを設定するものだ。」モンサントの技術を使うために、農家は金を払い、重要な権利を放棄する。この法案は、個人の土地に立ち入ってサンプルを取るためには、企業が農家か裁判官の許可を取るように規定するものだ。農家は、中立の第3者がサンプルを集め企業と同じサンプルを保管する権利を持つようになる。また争いは裁判所の前に仲介と調停を経るようになる。「これらの規則で、あるべき手続きを定める。」と、ラミューは言う。
モンサントのScott Baucumは、この法案は農家の契約を結ぶ権利に干渉するもので、州が連邦特許法に口を挟むのは違法だという。「法案が、不必要な書類に署名するなどの重大な権利侵害を伴い違法だ。農家が特許違反した場合、ミズーリ地方裁判所で弁護するようにしているライセンス契約の内容は法案の重要な部分で、HB1442は違反があったところの地方裁判所が管轄するようになっており、連邦特許法に合致する。この法案は契約の最も重要な条項を削除するためのもので、今までこの条項があるからモンサントは、農家がSt.Louisの裁判所にもって行くことの引換として、より多くの価値を農家に提供できた。特許を侵害したり契約違反をする気のない農家には不要なものだ。 モンサントにとって価値のないライセンス契約はノース・ダコタの農家にとっても価値がない。」と言う。
モンサントが特許侵害だとして訴えているCass郡の農家のRodney Nelson は、「我が家の経験は法案が必要なことを示している。モンサントにラウンドアップ・レディ大豆の種を保存して次の年に蒔いたとでたらめな訴えをされたんだ。専門家はモンサントのテスト法には疑問があるんだが、同じサンプルもモンサントが持っているサンプルも入手できないんじゃ、反証が出来ない」と言う。 ネルソンはノース・ダコタでは唯一の被告だ。
「上院法案1442は科学的進展を妨げるもので、ノース・ダコタの農家を保護できない。法案によってノース・ダコタの農家は、今ある“大事な危機管理の手段”という恩恵を失うことになる。」とBaucumは言う。