世界の3大農産物の一つであるコーンの遺伝子汚染
アメリカがメキシコでコーンをダンピングして、
世界のコーン品種多様性を危機にさらす
グリーンピース、メキシコ
2001年9月
訳 山田勝巳
メキシコ政府は、遺伝子組み換え体とバイオ安全委員会を介して、オアハカ州(コーンの原産地で多様なコーンの中心地)の土着のコーンが、アメリカから輸入された組み換え品種で汚染されているという科学的研究があると発表した。
ここ数年、メキシコ政府はアメリカからの組み換えコーンを数百万トン食用や工業目的としての輸入を許し、種子としての利用は規制するふりをしてきた。グリーンピースは3年まえからメキシコ政府に対し、アメリカ大陸で最も重要な穀物であるコーンの土着品種や野生の類縁種が組み換え汚染を受ける危険があると警告し続けてきた。これに対し政府は、GM企業と共に汚染の危険を否定し、汚染の発生はあり得ないと主張してきた。汚染が確認された今、食糧安全への重大な脅威があり、コーン農業とそのコーンの類縁野生種のエコシステムに重大な影響があることは間違いない。
この無責任な汚染によって、メキシコ政府は、自ら署名しているカタルヘナ生物多様性国際合意に違反し、全てのコーン遺伝子構造を危機に曝すものだ。コーンはメキシコの土着民達によって何千年もかけて栽培化され、この人達にとって、文化的にも、栄養上、経済的にも深い意味がある。3年間の組み換えコーンの存在によって、全品種が汚染の危機に曝されている。
グリーンピースは、メキシコ政府にこの危機に対処するための次の内容を含む緊急対策を出すように要請している。
*汚染の実態把握とGM品種の特定
*リスクを無視し、回避する効果的手段を執ることを拒否して汚染を許してしまった政府の責任
*汚染除去計画
*組み換えコーンの緊急輸入停止
*カタルヘナ合意の批准
*この汚染が2度と起こらないようにする規則と法律の制定
*組換え体の生産と拡散に責任のある企業に対する法的制裁
*カタルヘナ合意の関係国や同様の危険に直面する国へ至急通知すること
詳細は私へ連絡請う
Raul Benet Keil
Executive Director
Greenpeace Mexico
Lead C7