マッドペット病:狂牛病で死ぬヨーロッパのペット

 

アン・マーチン

地球ジャーナル秋3号16巻

訳 山田勝巳

 

1985年からイギリスの牛に脳がスポンジのように穴だらけになって死に、人や羊にもうつる狂牛病BSEが知られ始めた。狂牛病に冒された牛はヨーロッパのペットフードとして処理された。大方の学者はBSEが種の壁を越えないので安全だと断定していた。だが間違っていた。

 

2000年の1月にはイギリスで100匹以上の猫が汚染肉を食べて死んだことが判明していた。実際の数はそれを遥かに上回っていると見ている獣医は多い。

 

肉骨粉は反芻動物には使えないが、英国農漁食糧省は狂牛病の疑いのない牛の物であればペット用に使って良いとしていた。しかし英国ペットフード製造協会は、1989年に、自主的に屠殺された特定の部位(脾臓、扁桃、脳、胸腺、脊髄、大腸)はペットフードで使わないと発表した。

 

だが1996年にはアンジェラ・ブラウニング農業大臣は下院で「と殺処分された牛の残骸がペットフードに使われている」と報告した。これに対し、労働党議員で微生物学者のマーチン・ジョーンズは「埋めることさえ危険だとして禁じられているのにペットフードとして処分していたとは驚きだ」と述べている。

 

この頃には、猫だけでなく動物園のライオン1頭、チーター5頭、オセロット3頭、虎2頭、ピューマ3頭、エランド3頭、クドゥ6頭、バイソン1頭が犠牲になっていた。

 

この間役人は、犬にはうつらないと言ってきたが、これは真っ赤な嘘で、1997年ロイターのヨーロッパビジネスは、1991年当時既に444頭の猟犬の脳を調べた中に、既に海綿症状のある物が出ているという研究報告が出ているのを明るみに出した。 しかし、多くの医師や獣医の懸念にも関わらず、これらの組織が詳しく検査されなかった。

 

199711月、ノルウェイでゴールデン・リトリーバーが1頭がBSEで死亡している。 死後解剖でBSEに似た脳障害のあったことが確認されている。 ノルウェイの家畜保健委員会の議長アイビンド・リベンは、汚染されたドッグフードで感染した可能性が高いと記者発表している。

 

19972月、米国食糧医薬品局は、ペットフード及びレンダリング業界関係者とペットフードの缶に警告を載せる検討会を開いている。FDAは、「この缶には反芻動物やミンクの組織が入っている又はその可能性があるので、反芻動物に与えたり、反芻動物の餌の製造には使わないで下さい」という表示を提案したが、ペットフード業界の代表がそのような表示には反対だったためこの計画は流れていた。

 

アメリカやカナダも丁度イギリスでBSEが爆発的に拡がる直前の状態つまり、羊のスクレイピー、羊廃棄物の処理方法、ミンクの脳症多発、虚弱で間引いた牛の処分未管理状態にある。

 

残念ながらこれらは犬猫を含めたスポンジ脳症禍の入り口に過ぎない。

 

あなたに出来ることは、表示を読む、動物の副産物を使った大手が流通しているペットフードを使わない。 インノバ、ナチュラルライフ、プリサイスなどの安全な物を購入することだ。

 

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