遺伝子組換えの米が埋め立てにされた

EPA未認可のため475万ポンドのGM米を廃棄

 

 

スチーブ・オラフソン

ヒューストン・クロニクル(2001521日)

訳 河田昌東

 

月曜日(21日)から毎日、車輪の18個ついたトレーラーがテキサス州ブラゾリア郡の農場からおよそ500万ポンド(訳注:約2500トン)の遺伝子組換えイネを埋め立てのために運び出した。

この最初の遺伝子組換えイネはアメリカのFDAUSDA(農務省)の認可は得られていたがEPA(環境保護庁)の認可はのびのびになっていた。EPAの認可がなければこの米は食品としては扱えない、とこの米を開発したアヴェンテイス・クロップ・サイエンス社はいっている。

 

この米は、EPAの認可が下りるまで保管倉庫にあったら人間の食用に販売されていたであろう。しかし、アヴェンテイスはこの実験的な米を適切に管理しそれを追跡できたと確認したかったのだ、と同社の広報担当のPeg Chernyは言った。アヴェンテイスはスターリンク・コーンの追跡に失敗し、政府の認可が下りる前に消費者に届いてしまったとして、ずっと批判されてきた。

Chernyは、遺伝子組換えイネで「アヴェンテイスは問題を起こしたくなかったのよ」とも言った。

この米は、コーンや菜種で良く使われている除草剤「Liberty」に耐性を持つので「Liberty Link」と呼ばれている。EPAはこれまで遺伝子組換えイネに好意的な見解を示し、一年以内には最終的な許可が出たはずだ、ともChernyは言っている。

「人々にとって利益のある食料を私達が捨てている、と考える人々もいることを私達は知っている。でも、これが私達のシステムがうまく機能しているという証拠なのよ」とChernyは言った。

 

アヴェンテイスと契約してこの米を作ったブラゾリア郡の農家のJacko Garretはアヴェンテイスがなぜそうしているか分かっている、と言った。「もし私がアヴェンテイスだったら、まったく同じことをしただろう。彼らは極めて慎重にことを運んできたんだ」

Garettの「食料分かち合い財団」は米を食糧銀行や食糧危機の国々に米を寄付しているが、彼はこの米を飢えた人々にあげられたら良かったのに、と願っている。「どこも悪くない食べ物を捨てるなんて恥ずかしいことだ。でも、会社がそうしろという以上そうしするしかない。あれは彼らの米なんだから」

 

すべての米を埋め立て終わるには少なくとも1週間はかかるだろう。 昨年8月に収穫された約25万ポンドはアヴェンテイスが試験のために保管する。残り475万ポンドが埋め立てに使われる。

 

 

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