日本はアメリカ合衆国の代わりに大豆をカナダに求めるだろう

 

/18/2001

「カナダ・ナタネと製品」年報2001より

訳 河田昌東

 

カナダ・オンタリオ州の「おはようオンタリオ」(Good Morning Ontario) の5月9日の放送は、日本のアメリカ大使館の農業担当者が、日本の大豆ユーザーがカナダ とブラジルに非GM大豆を求めてシフトするので、合衆国大豆の日本への輸入は2001/02年には下落が予測されると報告した、と述べた。 「日本では非GMO 食用大豆の需要が増えているので、それに合わせるために、ブラジルとカナダ両国が急速に非GMO大豆の輸出を増やした」、と大使館員は報告した。 「例えば、ブラジルの日本への大豆輸出は1999年の12%から2000年には16%まで増加した。 カナダのシェアは1999年の3%から2000年には5%まで増加した。 結果として、合衆国の日本での市場占有率は1999年の79%から2000年には64%まで下落した」という。 加えて、今後配合飼料輸入の下落と肉の輸入増加のために、大豆の輸入全体が落ち込むと予想される。

 

カナダは非 GMOとIP 大豆を供給する:

 種々の業界誌は、IP大豆に加えて非GMO 大豆の需要が急増しているマーケットに大豆を供給しているカナダ を取材している。カナダのいくつかの大豆産業(特に主要な大豆生産州であるオンタリオ)によれば、非GMOの白大豆の供給が可能なので、カナダは競争上有利である。 非GMO白大豆を求める日本のバイヤーは、いずれ大豆を豆腐に加工するであろうカナダ に販路を 求める。 オンタリオ大豆裁培者協会のスタッフの一人は、品種不特定の白大豆売買に関わる企業のいくつかは ラウンドアップ 耐性白大豆の導入はオンタリオの産業にとって有害だと思うと言った。 より価値の高い、特定品種の IP マーケットで取引する他の会社は、彼らのビジネスを拡張しようと考えている。 あるカナダの食物トレーダは、GM白大豆の海外バイヤーから市場破壊どころか「ゼロ需要」だと云われた。

しかしながら、そのトレーダはまた、アジアのバイヤーたちはIP プログラムがあるからオンタリオ 産大豆を選択しているのであって、それらが非GMの白大豆であるから選択しているわけではない、とも述べた。 モンサント の種子販売マネージャーは 、ラウンドアップ耐性大豆 は2001年にはカナダでは利用出来なくなるであろうと云った。

 

オンタリオ で IP 大豆の栽培面積増加:

3月16日付の「オンタリオ・ファーマー」の記事によれば、オンタリオに於ける IP大豆生産 は数年前にはマイナーな存在だったが、今では全大豆生産面積220万エーカーのほとんど3分の1の65万エーカーにもなっている(カナダ統計局データ)。 First Line Seeds社の社長によると、北アメリカ の食用品質大豆は、アジアのバイヤーの品質を見る方法に従って分類される傾向があると言う。 一般に、ミシガン、オハイオ、インディアナ とオンタリオ の北部の州がそれより南で栽培された大豆よりも上をいっているように、カナダの大豆はアメリカ産大豆よりも評価されている。 北の地域の気候ほど、大豆により高タンパク質をもたらす傾向がある。 大豆品質に関して云えば、最も低いレベルの品質の大豆は製油会社用の大豆である。 残りの順位は次の通りである:混合非 GMO 品種;IP非 GMO 品種;混合白大豆;IP白大豆;特別な形質を持っている IP 品種。 北アメリカ産 大豆の品質チャートのトップは、豆腐と納豆用に日本で栽培された品種と良く似たプレミアムIP 品種である。

 

 

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