インドは、EU向けにGMフリーの大豆を供給しようとしている
http://www.mindfully.org/GE/GE2/Indian-NonGM-Soybeans.htm
インドの生産者たちは、非GM大豆でヨーロッパを標的にしている。
ロイター 2001年5月21日
訳 岩月要二郎
ロンドンから――狂牛病などの不安材料によって、消費者の食品に対する信用が揺らいだあと、ヨーロッパは遺伝子組み換え(GM)作物に対し懸念を抱いている。インドの大豆製粉業者はその懸念を利用しようと考えている、と月曜日インドの代表団は語った。
インド大豆加工業協会(SOPA)の支持を受けた代表団は、イタリア、スペイン、フランス、ドイツ、オランダ、イギリスの通商官僚と会い、他国と違ってインドの大豆粉は非GMであると説得した。
イギリスの産業官僚との会合で、「私たちの作物の中にGMが存在している恐れはまったくない」と、代表団のリーダーであり、プレステージグループ社長のDavish Jainは語った。
「わが国には、遺伝子組み換え作物のようなものは存在しない。私たちは、GM大豆を輸入しないし、インド政府は非GM大豆の自給を奨励している。」ヨーロッパは遺伝子組換え食品に対してますます不安を抱くようになり、一般には“狂牛病”の名で知られる牛海綿状脳症や口蹄疫の発生で、より一層敏感になっている。
多くの国の政府が輸入に対する規制を強めている。そして買い手は、生産者に対して委託した生産物が非GMであるという証明書を要求し、さらにGM作物による汚染がないことを確実にするため、作物の由来がはっきりしていることを求めている。
「農家に適当な報酬を保証すれば、私たちは今後数年は非GM作物のままもちこたえるだろう」
南米諸国の中には、アルゼンチンのように、一方でGM作物を栽培していても非GM大豆の粉を供給できると言う国があるだろう、とJainは言う。
狂牛病が大陸中に広がって以来、ヨーロッパでは大豆粉がますます重要になってきており、肉食ベースの動物飼料が禁止されるに至った。肉食の飼料は、狂牛病蔓延の原因だと、多くの科学者が考えているのだ。
動物は非GM飼料で育てるほうがよいと考える消費者は多い。
「大豆粉は、家畜や家禽の飼料には必須の要素だし、土地に健康を害する要因を何ももたらさない」Jainはさらに付け加えた――インドは口蹄疫から免れている。イギリスでは、2月にその非常に伝染性の高い家畜病に見舞われて以来、農業ビジネスが大打撃を受けたのだった。
「東南アジア諸国で非GM大豆製品に好適の場所をつくり出すことに成功し、インドは次にそれをヨーロッパの市場に紹介する準備をし、それを望んでいる」
インドは主にアジアに大豆粉を供給しているが、フランスにも5万6000トン、2000年には6000トンを輸出した。輸出量は一年間あたり250万トンから300万トンの間で変動する、とJainは言う。