カナダの判決に大学教授が反論
E.Ann
Clark
Cropchoice.com 3月30日
訳 山田勝巳
シュマイザーが2年前に訴えられたのを喜び、それ以来, 彼が不安に判決を待つ間, 悠然と見ていた農家や団体の皆さん:
a. 彼は大々的に報道されたように、モンサントの種を万引きしたり、闇で買ったり、盗
んだという訴えに対しては、証拠調べの段階で全く証拠がないために無実になった。
b.
彼は、自分の土地にモンサントの組み換え体があることでは有罪だった。
c.
カナダの西部の農場で、モンサントのラウンドアップ・レディ・キャノーラのない所があるかは疑問だ。
d.
もしあったら、モンサントに電話して何とかしてもらうべきだろう。一体どうやるのか。一本一本抜くのか? 汚染されると最長10年間も、(キャノーラは汚染されてから不耕起畑も含めて潜伏する)この間キャノーラを栽培できない。もし栽培すれば、こぼれ種から芽が出て、実を付け、こぼれる、を繰り返してしまう。
e.
栽培期間ずーっとキャノーラは発芽するから、モンサントは作付け時だけでなく監視し続けるのか。 その費用は誰が持つのか。モンサントか、あなたか。
f.
GM作物がもし生えていたら、モンサントに電話してきれいに取り除くようにいったらシュマイザーの二の舞にならないと言えるのか。
g.
控訴に加わらないとしたら、そして控訴審の判事が植物生殖の生物学的基礎知識を持ち合わせ、スターリンクのことを知っていて、科学を保護し、科学的決定をするなら、あなたやあなたの隣人に当然の報いが来ますよ。
もっと分かりやすく言うなら、政府が新法を作って、1)雄の若牛は自然のまま(去勢しない)にしておき、 2)柵を取り払う、としたらどうなるか想像して欲しい。 更に、この若牛には子孫の評価が落ちるような劣性があるとする。 畜産業界はどんな混乱に陥るだろう。
これが、他家受粉する遺伝子組み換えコーンやキャノーラを時期尚早に栽培許可した政府の的確な例えだ。花粉は牛のように動き回る。花粉の飛散を防ぐフェンスなどあり得ない。去年はカナダで2/3が除草剤耐性のキャノーラだった。花粉は今までズーッと跳び続けてきたが、今回歴史上初めて本来の生物学的特性だけではなく、占有権のある遺伝子を持つ、劣性遺伝子を持つ様になった。
目覚めなさい、そして、この特筆すべき無理解な判決をよく見ていただきたい。
E.アン・クラーク(カナダ・ゲルフ大学農学部助教授)
E.Ann
Clark Associate Professor Plant Agriculture University of Guelph Guelph, Ont.
Canada N1G 2W1