アメリカ農民のGM種子利用が18%増加
スコット・キルマン
ウォールストリート・ジャーナル
7月2日 (抄訳:山田勝己)
米政府調査によると、アメリカの農家が再びバイテク作物に殺到しており、昨年比で18%増に当たる8,230万エーカー分の種子を使用している事が分かった。
この急増には、ウォール街の専門家やバイテク企業も驚いている。 害虫抵抗性や除草剤耐性大豆、コーン、綿などの安全性に対する盛んな議論のため、組み換え遺伝子が一・二種入っている種子の利用を大幅に増やすことは少ないと見られていた。
種子業界は、農務省他の春の調査に基づいて、組み換え種子の売り上げは10%程度の小幅増を見込んでいた。
デュポンバイテク部門のパイオニア・ハイブレッド・インターナショナルのリチャード・L・マコネル社長は、「最近の騒音から考えると極めて嬉しい結果だ」という。
作物のバイテクブームは1996に始まったが、1999年に突然失速した。 この売り上げ増でデュポン等のバイテク企業は、何十億ドルもの投資を回収出来るようになる。 今年6月発表の農務省調査によると春のモンサントのラウンドアップ・レディ大豆作付けは去年の54%から68%になっている。 大豆はベジタリアン料理からベビ−フード・クッキングオイルまで幅広く使われており、アメリカの生産量第2位の作物である。
今春の農務省調査では、ラウンドアップ大豆は5,130万エーカーで、昨年の4020万エーカーより27.5%増えている。
綿も1120万エーカーになり、全体の69%,昨年比で18%増となっている。コーンは1,980万エーカーで、全体の26%、昨年と同レベルになっている。
バイテク企業はコーンベルトの農民に魅力のある作物をまだ提供できていない。 ラウンドアップ・レディ・コーンは、アメリカ農民や食品会社の最大の得意先であるEUが食品として認めない事が障害となっている。 コーン農家はアベンティスのスタリンクコーンの大失態で、バイテクに用心深くなっている。