ベントリア社がペルーで新生児にGMライスの実験
http://www.gmwatch.org/archive2.asp?arcid=6641
gmwatch.org
2006年6月15日
訳 河田昌東
色々と論議の多い薬用GMライスの企業、ベントリア社はカリフォルニア州とミズーリ州で圃場試験を断念しなければならなかったが、今度はペルーで新たな騒動を起こしている。(原文はスペイン語:
http://www.telesurtv.net/home14jun6.php)
ペルー医師会は、アメリカの医薬品企業ベントリア社が、同社が開発した小児急性下痢症のための薬用遺伝子組換えライスの効果を調べるために、これを新生児に与える実験を行っている、と非難した。この遺伝子組換えライスはラクトフェリンというタンパク質を作るように遺伝子を変えている。同医師会のスポークスマン、ヘルベルト・キューバ・ガルシアによれば、「この遺伝子組換えはペルーでは認められていない」という。キューバ・ガルシアはベントリア・バイオサイエンスがペルーの首都リマと地方都市ツルジーロの公立病院で、保健省の許可を受けて140人の子どもに実験を行った、と発表した。これに対し、子どもの権利保護を訴える多くの法律家らはこのケースが法律違反であり、子どもと青年に関する法令に違反していると考えている。「子どもは、他の人間と同様に自らの成長と健康に関する自由をもっているのであり、実験材料とすべきでない。特に、この実験の結果がどうなるのかわからないのであるから」と子どものためのアクションという法律家団体のノルマ・ロジャースは言う。ノルマ・ロジャースは、子どもの権利に関わることは、最優先原則の中でも最も重要で、言い換えれば子どもの利益を守るために最も大事にしなければならず、この原則は実験や条例で犯されてはならない、と述べた。
キューバ・ガルシアによると、この実験はアメリカの会社の財政的支援を受けて行われた。ペルーの保健大臣ピラー・マゼッティは「我々は病院の院長、国立衛生研究所長、その他この問題に関係する諸機関に対し、実験が特に年少者に関して行われるために必要な全ての要求を満たしているかどうか、情報を提供するように求めた」と言った。ベントリア社に代わってペルーでこの実験を行った栄養研究所は、この臨床実験では人体実験及び生命倫理に関わる全ての国家的及び国際的レベルの基準を尊重した、と述べた。