日本の小麦産業の担い手たちは、GM(遺伝子組み替え)小麦に対して反対の姿勢を固持している
――そのことを、米国の小麦産業代表団は先週の訪日の際知らされた。
Carey
Gillam
ロイター・ニュース・サービス
2001年4月24日
モンタナ州カンザスシティ
訳 石川豊久(漬物本舗 道長)
日本の小麦業者と4月15日から20日にかけて行われた一連の会合の報告書が、昨日米国小麦協会から出された。報告書によると「“GMの混入していない(GMフリ−)”小麦を受け取れることを米国が保証出来ないのなら、米国以外の国から非GM小麦を買うことにする、と日本の小麦産業のリ−ダ−たちは言った」「日本政府唯一の小麦の買い手である食糧庁は次のように強調した。たとえ厚生省がGM食品の安全性を認証したとしても、消費者の懸念を考慮すればバイオテクノロジー由来の小麦を買うわけにはいかない、と」。
5人からなる米国小麦産業代表団は、バイオテクの巨大農薬メ−カ−、モンサント社の計画がもたらす影響について討論するために東京を訪れた。2003年から2005年の間のいつかに、GM春小麦を世に出すという計画である。ミズ−リ−州セントルイスを本拠とするモンサント社は、米国と日本の政府の許可が得られれば、世界初のGM春小麦となるその品種を米国で発売すると述べた。しかし米国の小麦生産者たちは、GM春小麦が世に出れば市場でのシェアを失ってしまうのではと心配している。日本とEUそして他の主だった市場も、消費者の懸念を考慮するとGM小麦を買う気になれないと表明しているからだ。消費者は、穀物の遺伝子組み替えによる、穀物の安全性や環境への影響を懸念しているのである。
先週の日本の会合では、政府官僚だけでなく製粉業者との討論も行われたのだが、そうした懸念が強調された。米国小麦協会と全国小麦生産者協会共同のバイオテクノロジ−委員会の長を務めるダレル・ハナバンは言う。「日本の官僚は、バイオテクノロジ−に未来があると考えている。しかし、バイオテクノロジ−を受け入れようという消費者の気をなくさせるような出来事があちらでたくさん起きている」「消費者は、私たちが彼らの懸念をちゃんと知るよう望んでいるのだ」。
バイオテク小麦計画について日本が否定的であるにもかかわらず、ハバナンは楽観的である。彼は言う。
「日本の製粉業者は、GM小麦についてのIPシステムを米国とともに進んで評価していくと述べた」「彼らが私たちとともに歩んでくれると確信している。彼らと心を開いた話し合いを続けていけばよいと思う」。