Sci/Tech
訳 山田勝己
GM 花粉警報 有機農家は気を付けて!
蜂はGM作物の回りに設けられた緩衝帯を越えて花粉を運ぶ。
環境記者:アレックス・カービィ
英国政府が委嘱した遺伝子組み換え(GM)作物科学レポートは、GM花粉は非常に広く拡散すると報告している。
農業省はジョン・インズ・センターに対し報告を出すように要請したことを確認した報告書は大臣らの監修を受けてから見解を出す予定。農業省と環境局は土壌協会など有機農業団体と5月14日に会議を行いこの報告書についても話し合われる予定。
有機農産物がGM作物で汚染されるのは避けがたいので、国立花粉研究班の発見内容を受け入れるつもりとのこと。研究班はGM花粉が虫や風によって遠距離まで運ばれる。メイズ(飼料用コーン)の花粉は「通常の気象条件で花粉源から離れたところ(例えば180km)でも交雑が起こる」と述べている。
許容レベルを設定するGM作物試験栽培の公的規則では、試験作物と一般作物の境界は200mで良いと
なっている。
ジョン・インズセンターの報告によると花粉による交配で有機栽培作物の1%は、どこであろうとGMのハイブリッドになってしまうという。オーガニック農産物の汚染「許容」レベルを決めるべきだと述べている。
有機農産物も保証できない。
有機農家に対し基準を定める土壌協会の代表パトリック・ホールデンは「我々は汚染の最低レベルを決めようなどと言う意見は全く受け容れられない。消費者が非GM食品が欲しいと言うときは、1%、2%、5%まで汚染していても良いという意味ではなく、GMフリー、全くゼロと言うことです。」と話す。
研究者の中には花粉が遠くまで広範囲に運ばれることがあることは認めているが、交雑する作物はそんなに多くはないという者もいる。花粉の寿命はさほど長くはなく、たどり着いたところでもその場所にある花粉と競合しなければならない。
GM作物の回りを他の品種で囲うことでリスクを減らせる。品種が違うほうが交雑が起こりにくい。だが、GM花粉が拡散するリスクがゼロと言うことはないし、防ぐことが出来る防護壁もあり得ない。