フランス当局は在来作物種子にGMO混入を発見
パリ発ロイター
2001年7月26日
シリビー・ド・ランタン記者
抄訳 河田昌東
フランスの食物安全局AFSSAは、昨日、フランスのいくつかの在来作物に遺伝子組換え体の混入を発見したが、消費者の健康リスクは軽い、といった。現在フランスでは
GMOは実験的なレベルで生産できるだけで商業的栽培は認められていない。
「在来作物の種子に遺伝子組換え体がランダムに混ざっているのは事実のようだ。」AFSSAは、昨日政府の諮問に答えてこう発表した。当局者によれば、ナタネ、大豆、トウモロコシの種子の112のサンプルのうち19種類で、ほとんどのGMOで使われている35Sプロモーター遺伝子の存在を発見した。トウモロコシの種子サンプルでは汚染レベルは41パーセントに達した(訳注:39検体のうち16検体)。AFSSAは、検出方法は0.2パーセント以上のものしか不可能で「それ以下のレベルの他のGMOの存在は分からない」といった。
消費者にとってのリスク
しかし、当局者は強調した。これらの汚染された種子で作られた生産物は消費者に有害かも知れないが「リスクは極めて低く、公衆衛生のためのリスクを提案するような要素は全然ない」。理由は、「これらが有毒なまたはアレルギーの効果がある可能性が極めて弱からだ」と追加した。農業、健康、消費者、および環境の関係各省からの要求に答えてAFSSAは、在来の種子に発見されたGMOは、フランスで実行されたGMO実験、または輸入されたGM種子から来たかもしれないと言った。
裏切り行為
環境保護団体グリーンピースは「政府と種子産業は、GMOで汚染される食物連鎖を防止するために、必要な努力をしていない」といった。「この無責任な態度は、GMOの存在を避けるために手段を取った農夫、消費者、および農業関連ビジネスプロフェッショナルにとって、裏切り行為だ。」グリーンピースは、汚染の拡大を食い止めるためにGMO混入が見つかったすべての種子と圃場を破壊するようを政府に要求した。
GMO作物は合衆国では普通であるが、フランスおよび他の欧州連合メンバー国では、農業分野の新しい遺伝子テクノロジーの是認には非常に慎重である。
フランスのトウモロコシ生産者〈GMOへの消費者の反対に直面している〉は、国内で以前は色々な種の栽培が許されたけれども、遺伝子組換えトウモロコシの栽培は放棄した。
ほとんどの農業関連ビジネス会社は、この選択〈消費者と環境協会により圧力をかけられた〉に続いた。 グリーンピース はGMOを含む商品の「ブラックリスト」を出版した。
しかし、フランスにはまだ実験的なGMO作物の栽培を約100のサイトで行っている。
農場省のウェブサイトwww.agriculture.gouv.frに出版されたリストが載っている。