EUをしごけとブッシュに迫るGM企業
US企業は、EUが科学を排除し規則で貿易を邪魔していると迫る。
有機消費者協会
ワシントン
2002年11月13日
訳 山田勝巳
(ブルームバーグ発)−EUでは薬品や食品の輸入を阻止する規則と関税率を変更中であるが、これを阻止せよとブッシュに迫っていることをアメリカ業界が発表した。
モンサントやサラ・リー社など12社を代表するグループと数百の企業がアメリカ通商代表ロバート・ゼーリック宛に今週、ヨーロッパが薬品やGMO,食品成分の安全確認の証拠を無視していると訴える要請書を出す予定。
このグループは、危険であることの証明をせずに制限しようというEU基準やWTOが1995年に始まって以来の70%に関税減額に替わるほかの規制を対象にしていると言う。
EU職員は、安全性が疑われるものにいわゆる予防原則を使うことはWTOで批准しているもので 「これはアメリカ等の製品に対する差別などではなく、自由貿易を健康と消費者を守る原則に折り合いをつけるものだ。」という。
化学薬品
この手紙に署名している企業には、化学委員会や製造業組合のほかに、履物衣料品組合、アメリカ農業会連合、外国貿易委員会がある。 「我々は、リスクの軽減とか、排除といったことが健全な科学に基づいていないのに、規制することの正当化に使われることが多くなっていることを警戒するものだ。」と書簡の原案には書いている。
EUは、ホルモン処理したUSビーフや、特定の遺伝子組み換え体を禁止するのに予防原則を使っており、アメリカ企業が作っている何千もの化学製品、中にはアルバーマール社やW.R.グレイス社がある、を排除する法律が待機中になっている。 アメリカはWTOでビーフ禁止に挑んで成功し、EUからの輸出1億1300万ドル以上がWTO制裁として認められた。
差別ではない
禁止は、年間40億ドルに及ぶ投資を含むアメリカとの年間貿易への差別ではないと言う。 アメリカグループは、モンサントやアベンティスSAの種子で生産されたコーンや大豆を含む遺伝子組み換え成分が少しでも入った食品の表示義務議案も問題にしている。
EUで行った80以上の科学的研究で遺伝子操作食物による健康危害が認められなかったのに、表示義務では予防原則が使われた。 EU職員は、消費者の選択権と知る権利も表示ルールの基礎として挙げているがアメリカ業界はこれに反発している。 「確かに社会の懸念はあるかもしれないが、それは普通の一般人の心配なのか、活動団体の心配なのかだ。」と言うのは、ケロッグとサラ・リーを代表する食品製造団体の貿易理事サラー・ソーン。
「まず規制」
ヨーロッパの世論に対する対応は、「まず規制をしてその後調査」だったとライリィは言う。 非政府組織に 「市民のかなりの部分がこれらの問題で操作されている。 企業は、EUが形成され、そこの環境派が先に入り込んだということを知るのが遅かった。」 EUの化学産業を規制する法案は2001年2月に出た白書にあり、化学品は「危険性が分かっているものや疑われるもの」を基準に規制されるとなっている。
要請書は、ブッシュ政権がWTOや国際標準化機構などの国際組織を使い、ルール作りには科学が適用されるように迫るもの。 このテーマは先週USとEUの政府や事業関係者が集まる大西洋諸国商業対話の会議で出た。 共同議長ボーイング社のフィル.コンジットとBAEシステムズ社の副社長チャールズ・メイスフィールドは、「複数の承認や、製品を多様化しなくとも市場に出せるように」政府間の調整すべきだと書いている。