EUは遺伝子組換え食品の表示、追跡可能性に厳格な規制を課す
ブルッセル・ベルギー発ロイター
2001年7月26日
デイビッド・エバンス
抄訳 河田昌東
行き詰まっている遺伝子組換え食品の承認プロセスを再スタートすべくGMOの表示義務化と追跡可能性を条件に昨日、欧州委員会は新しい規則を初公開した。
GMO由来のすべての食物、および動物飼料に、ラベルを貼る必要があり、加工された商品もその記録を農場からの全生産工程わたって追跡を可能にしなければならない。EU環境委員のMargot
Wallstromによれば「追跡可能性を決めたことにより、よりハイレベルの環境と健康の保護への道が開かれた。」「確かに生産者と貿易でのコストはかかるが、リスクは何かわかることが、公衆の信用を築く方法です。」
この決定の要件では、トウモロコシや製造工程で遺伝子やその産物が除去される大豆油など精製度の高い製品もカバーされる。これらは、実際それらを含んでいなくても、GMO由来のラベルを付けて分類されなければならない。米国農場グループはすでに追跡可能性の概念を実行不可能であるとみなしており、生産者はEUに対する数十億ドルの輸出品が不可能になるかもしれないと恐れている。合衆国は、GMOのテストに精製された加工品を含めないしないシステムにすべきだと主張している。
承認プロセスの再スタート
新しい規則は、世界の最も大きいGM作物生産者の合衆国との間に大きな貿易摩擦を起こしている、3年間の停止中のGMO承認プロセスの再スタートを目指したものである。フランスを含むメンバー国代表は、新しいGMO承認においてモラトリアムを終えるための前提条件としての表示義務化を要求した。しかし、Wallstrom記者会見で、いつからそのプロセスが再開できるかは分からないと言った。「
私達は秋にそれについてメンバー各国と協議します。 しかし、それが何時になるかは言えません。」
EU食物安全委員のデイビッドバーンは、議論が始まった時から認可には新しい規則があると言った。 「1つのドア、1つのキー」手続がそれで、それによって、人間の食物および動物飼料にもこの規制は同時に当てはめられる。この規制は10年後には解除される。それまでには、早急に設立されるヨーロッパ食物規制当局により科学的なリスク・アセスメントが実行される。
EUは合衆国で生産されている40種のうち11種のGMO作物品種を認可している。 しかし、EU科学アドバイザーにより承認された認可モラトリアムの解除には必要な多くの手順がある。
『偶然』混入1パーセントの制限
バーンによると、彼は、栽培、収穫、輸送、または加工の間の分別の際に、トラブルによって未認可GMOの混入が食品中に発見されるかもしれない可能性を認めている。
彼は言った「私達が好むか好まないかにかかわらず、それが真実だ」。彼によると、偶然の混入は1%以上あれば表示が必要である。
環境のグループによれば、「技術的に不可避」と考えられるレベルのGMOを許すことは、生物工学産業の利益を消費者の利益に優先させるものである。 「地球の友」はそれを「汚染のライセンス」と呼んでいる。 「すべての企業は、自らの製品のGMO汚染が『偶然であった』と言うに決まっている」
EU委員会のこのプログラムは現在議論のため欧州議会とメンバー各国政府に送られ、2003年までには可決されなければならない。