カナダ議会がGMO表示問題で分裂
バリー・ウィルソン、
ザ・ウェスタン・プロデューサー
2001年10月11日
訳 山田勝巳
この混乱の結果、下院の保健委員会が一連の公聴会を開くようロック、バンシリエフを含む4人の大臣から要請書が出された。
GMの義務表示に反対する生産者団体やカナダ同盟党は、議会の分裂や保健委員会への問題移行が、義務表示を求める世論に屈する前触れではないかと懸念している。
「GM反対勢力がこの表示の戦いに勝つとすれば、農業と世界の人々のお笑いぐさだ。」と同盟農業評論家のハワード・ヒルストロムは言う。また、カナダ農業連盟の代表ボブ・フリーセンも「議会が真っ二つなのは事実だ。非常に残念だ。農業にとっては重大問題で、保健大臣や保健委員会が関わっていると言うことは、健康や安全問題のように写るが、そんな問題ではない。」とこの動きを警戒している。
来週議会が再開すれば、優先項目は、個人議員の提出した義務表示に関する投票だ。環境委員会の議長で前自由党の環境大臣だったチャールズ・カッシアは、法案成立を目指して運動をしており、Bloc Qubecois やNew Democrats、その他自由党のかなりの議員と僅かだが同盟と保守党議員の支持も得られている。 この法案は10/16の投票では僅差で成立はしないと見られているおり、GM賛成派も強力に運動している。
ロック保健大臣の報道官は、「大臣は義務表示が安全問題だからではなく、消費者の選択権だからだ」と話す。一方バンシリエフは、「政府の方向としては、自主表示以上のものではないし、そうすべき科学的根拠もない。ロックやブライアン・トビン労働大臣、ピエール・ピティグロウ貿易大臣と共に、保健委員会の公聴会を支持したのは、国民が懸念を表明しており、話し合いを要求しているからだ。」と言う。
前述の評論家は農業から保険へ移れば、長期的健康問題へ焦点が移るのでは懸念している。