ビール原料にスターリンク混入−FDA

2001年1月12日〔金〕          ワシントン発

翻訳:山田勝巳

要約:村上 悠

 

イリノイ州上院議員のディック・ダービン氏が公表した手紙のなかで、食品用に許可されていないGMコーンが、アメリカのビール会社の原料から検出された、と連邦監視官は発言している。

去年9月に環境グループが、タコスの皮からスターリンクを発見して以来、300以上の食品がリコールされ、数百万ブッシェルのコーンが買い戻しとなって、主要輸入国である日本向けの輸出に支障が出ていた。

この事件でFDA(医薬品局),EPA(環境庁)、USDA(農務省)の管轄にある遺伝子組み換え食品の規制が適切であるのが議論されている。

FDAは、12月中旬までに129検体を分析しており、そのうち2検体からGMが検出されていたことを明らかにした。

検出されたもののうち1検体は、タコスの皮から検出されたものと同じコーンで、もう1検体はビール・メーカーの使う特殊なコーン原料からであった。

FDAは、醸造工業向けのコーンミール製品から、タンパク質とDNAの両方の検査からスターリンクが確認されていたと伝えている。

この原料は店頭まで入っておらず、製造元がスターリンクの汚染が発覚してすぐに回収したとFDAは伝えている。

この原料は、消費者まで届かなかったので、数週間前にFDAがリコールを命じた300強の食品リストの中には含まれていない。

FDAは、シリアル、コーンチップ、ポップコーン、コーンシロップ、詰め物用ミックス、トルティーヤ、ベビーフード、等広範なコーン製品を検査したと伝えている。

民主党議員のダビット氏は、11月にこれ以上のスターリンク汚染を防ぐための対策を、文書で出すように3省庁に要請した。連邦監視官はスターリンクは人間にアレルギーを起こす懸念があるとして動物用にのみ許可していた。

ダービン氏は、動物に良くて人間に駄目なBIO-FOODを、全面的に禁止する法案を提出する計画だ。「動物が食べられて、人間が食べられない穀物が、一般に出回ることがおかしい。人畜共用(split-use)食品は農家にも消費者にも危険だ。一度汚染されたら、取り返しがつかない。」と声明文では言っている。

 

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