バイオテクは消費者に利益はない

市民の組み換え食品への反対で、企業は金になる主食作物を中心に据える

 

メリンダ・フルマー

タイムス

抄訳 山田勝巳

 

 バイオテクノロジーは世界を養うはずだった。もっとおいしい果物やもっと栄養のある野菜、それもタンパク質たっぷりで豊富なビタミンなどをもたらすはずだった。企業は最初の約束は果たすかに見えた。しかしフレーバー・セーバー・トマト以来7年、それらしい物はほとんど見あたらない。タンパク質たっぷりのジャガイモも舌を打つトマトも現れない。

 

その代わりバイオテク企業は害虫駆除と除草剤耐性の作物を作り、消費者よりも中西部の農家を喜ばせている。企業は消費者がバイオテクの将来性を認めると見込み励んできたが、それは大きな誤算だった。消費者こそがもっとも強硬に前進を阻む物であることを思い知った。 

 

組み換え植物への信頼が失われるにつれ、自然食品への志向は予想以上に強まってきた。業界の経営者達は、消費者はバイオテクを理解しないから良さが分からないのだと言うが、多くの科学者がこの考えを一蹴する。

 

「コンピューターが受け入れられたのは役に立つからで、理解できたからではない。バイオテク業界はGMがどう役に立つのかを見せる必要がある。」と話すのは、カルジーンの元副社長でウイスコンシン大学の生物学者ロバート・グッドマン。

 

バイオテクノロジーではこれまで何世紀も続いた交配という方法とは違って別の植物や動物の遺伝子を挿入するのが基本技術になっている。 カルジーンは遺伝子接合を使って日持ちの良いフレーバー・セーバー・トマトを発明した。しかし、いざ出始めてみると、消費者はその紙のような味気なさに、農家はトマトの質と高い費用のためにそっぽを向いた。 

 

 

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