麻生産者がGMを拒否
ショーン・プラット
サスカツーン・ニュースルーム
ザ・ウェスタン・プロデューサー
2001年11月1日
訳 山田勝巳
在来作物の圃場に出現したGMナタネが、プラスチックや医薬品用だとしたらどれほどの騒ぎになるだろうか。そんなことにならないようにサスカッチェワン大学教授で「GM食品の可能性と危険性」の著者であるアラン・マックヒューゲンは、ナタネではなく別の油用作物へ切り替える研究をするように求めている。 「麻がこの用途に使われる方向で考えて欲しい。」と話す。彼によると、麻の主用途がもともと食用ではなく工業用になので、この用途には向いているとのこと。「もし、普通の食用油用ナタネにGM医薬品ナタネが意図せず混入した場合非常に危険なことになる。しかし、プラスチックや医薬用のGM麻が、一般の麻と混じっても問題はない。これだと食卓に上る可能性はなく、ペンキやリノリウムになるだけだから」と話す。
西部カナダ麻生産者組合の代表クリス・ヘイルは、「こんな発想は、麻のマーケットを全く知らない者がすることだ。」と話す。カナダ麻の最大輸入相手であるヨーロッパでは、カナダ穀物委員会に対しGM麻が生産されていないことの証明書を要求している。ヨーロッパへの輸出は工業目的だが、残渣は家畜の飼料にされている。「
ヨーロッパ人が家畜の飼料に超過敏でないと思うなら、研究も少しぐらいやっても良いだろう。」
麻業界はGM作物導入と戦ってきた。そしてマックヒューゲンが開発した薬剤耐性品種CDCトリフィッドの商業生産を禁止することに成功している。近未来のGM麻の研究は望んでいない。「短期的な研究に対しては支持しないし、むしろ積極的に反対したりロビー活動をする。」とヘイルは言う。
マックヒューゲンは、プラスチックや薬剤を生産できる上等の麻は高付加価値作物になる。製造会社は、南米のアマゾンで収穫する必要のない生分解性のプラスチックや医薬品植物には、大金を払うだろう。彼がこの種の研究に麻がよいと考える理由は、ナタネのように花粉の飛散を心配しなくて済むことだ。
交雑の問題がないから、ある場所で特定の作物を作った場合、そこから拡散しないと自信を持って言える。 更に重要なことは、工業目的に新種の麻を導入すれば、食糧作物の生産を止めなくても良いと言うことだろう。ナタネの場合はそうは行かない。」という。