モンサント−アロヨ大統領の中止命令を無視
東南アジア地域社会教育協会
2001年3月13日
訳 山田勝巳
農民グループと環境団体はモンサント・フィリッピンがBtコーンを32圃場で試験栽培する許可申請を出したことに対し、かつてないほど強く非難した。グロリア・マカパガル・アロヨ大統領はマラカニャンで声明を出し、国民の強い反対があるので国内の全ての遺伝子組み換え作物の研究の圃場試験を中止すると発表した。
「こんなに多くの場所でのBtコーンの栽培試験は科学的根拠が全くない。」とフィリピン大学の生態学者チト・メディナ博士は言う。栽培試験は通常特定地域の栽培地で目的とする生物がどのように影響を受けるかを見るものだ。「まるで津波のようだ。みんながその悪影響を理解する間も与えず、こんなに多くの場所でやられると阻止活動をするのが難しい。」と小作農連盟PAKISAMAのカ・シタ・エスマオは話す。
「この全国各地での多圃場同時栽培試験は、バイオセーフティ国家評議会が、権限外であるのに、GMOの商業生産への意図を表している。」と話すのは、Kilusang Magbubukid ng Pilipinasの議長、カ・パエン・マリアノだ。
バイオセーフティ国家評議会は、国内の遺伝子工学試験についてどう対応するかを政府機関に諮問する機関として設置された。「評議会はモンサントの多地点栽培試験をずっと隠してきた。これは、国民に関わることで、国民に知らされないのは憲法で保障された権利を侵害するものだ。」と東南アジア地域社会教育協会のエレニタ・c・ダニョは話す。
今回の多地点試験栽培の公式要請は2000年10月に出されていたが、これを評議会が公表したのは2001年2月23日になってから。予定圃場での看板は12月4日から立てられていた。