作付け用種子にスターリンク汚染

マーク・カウフマン 

ワシントンポスト 3月1日 

抄訳 (山田勝巳)

 

  今年度作付け用の種子にGM汚染があると政府と産業筋によって発表された。 検出されたのはスターリンクで、種子に汚染がないか確認する検査で見つかったもの。 汚染された種は未だ播かれていないが、汚染が広がっている場合、ヨーロッパとアジアの主な消費国がスターリンクを拒否しているため、生産農家と流通にとって大きな痛手となる。    

今日、種子会社とコーン食品会社、連邦農業バイテク関連部局の担当が集まって対策を協議する予定。 産業筋によると、スターリンクのCry9c蛋白がなぜ混入したのか不明とのこと。連邦管理局は、花粉による交配を防ぐために、緩衝帯としてGM作物の周辺には在来種を植えるよう指導していた。     

スターリンクを開発したAventis社は、人が食べても安全だという立場を崩さず、EPA(環境保護局)に対し人間の消費用に承認するよう申請していたが、EPAはGM批判側からの強い反対があって未だ審査中だ。

産業筋は、Cry9cの汚染度は極めて低いが、食品には一切認められていない蛋白なので、今年の収穫で少しでも見つかれば汚染コーンとすると言う。昨年日本から船荷で検出されたものが何隻も送り返されてきた。農務省は今年のコーンは輸出が落ち込んでいると報告しており、スターリンクに起因していると見られている。  

  Aventisは昨年大規模な買い戻しを行っており、昨日現在で9400万ブッシェルが買い戻され、これで1999年と2000年分の99%が確保されたと発表している。全体ではトラック28,000台分、貨車15,000台分と285層分が検査の結果スターリンク汚染が確認されている。

昨日の発表では何社の種苗会社で汚染が見つかったのかは不明。アメリカ種子交易協会の代表はこれへのコメントを拒否した。

タコスの皮やビールまでスターリンクの汚染が見つかった去年の事実は、分別の難しさを印象づけたが、今回の種子の汚染は分別が不可能であることを示唆している。

 

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