バイテク作物が有機食品を汚染している
ジュリー・ボーマン
ヤフー経由ロイター・ニュース 4月9日(ワシントン発)
訳 山田勝巳
グリーンピースと有機農家がブッシュ政権に火曜日、遺伝子組み換え成分が入っていないとしている食品を、GM作物が意図せずに汚染しているためその生産を止めるよう申し入れた。
「これで良いという高さの壁を作れない。我々は遺伝子組み換え作物のモラトリアムを求めているんです。」と“自然に添う食品”(Nature's Path Foods)のアラン・ステファンは話す。
遺伝子組み換え体が入っていないという「自然食品」を求める傾向が強まる中で有機食品の純度が問われている。
ウォール・ストリート・ジャーナルが、20のベジタリアン製品を調べたところ5食品からかなりの組み換え大豆が検出され、11食品からは微量検出されたと報道したのを受けて、グリーンピースは政府に対策を求めている。製品にはGMフリーと表示がある。報道では、この結果が食品業界の平均値を示しているのかは分からないという。
テストにはベジタリアン・ベーコンもあって、その一つには40%もGM大豆が含まれていたという。これを作ったYves Veggie Cuisineは、去年バイテク品種でない大豆を得るために50万ドル余計に払ったという。
グリーンピースの遺伝子専門家チャールズ・マーギルスは「ジャーナルの報道はグリーンピースが以前から警告していたことで驚きではない。」という。
予期せぬ汚染は昨年のスターリンク事件で明らかになっている。なのに、アメリカの農家は収益を増やすにはバイテクだと思っている。農務省が先週発表した内容では、大豆の63%が組み換え品種で前年比0.9%の伸びになっている。農家は、収量が増えるのと殺虫剤が減るので急速にGM大豆を受け入れている。
ネブラスカの有機農家David Vetter は、コーン、大豆などを作っているが、最近の傾向は、非常な経費負担にもたらしているという。「4000ドルのコーンを売るのに検査に1500ドルかけている。いくらテストをやってもGM汚染が無いという保証は得られないよ。」と言う。
今年のバイテクコーンの作付けは24%で去年より僅かだが減っている。農務省は、これはスターリンクのことも起因しているという。
食品医薬品局(FDA)はバイテク食品を監督しているが、GM成分表示を拒否している。更に、「bioengineered」や「バイテク由来」等の表示を希望するメーカーに指導要領(guideline)を作成していて、その中で「GMフリー」とか「組み換え(modified))のような用語の使用を禁止している。
指導要領に加えて、食品会社に新たなバイテク製品を売りに出す場合にはその120日前に報告するよう義務づける方針だ。現在は自主申請になっている。
FDAは遺伝子組み換え食品は従来のものと何ら違いはなく特別な表示や手続きは必要ないという姿勢を崩していない。グリーンピースと消費者グループは健康と環境への影響をテストするよう政府に求めてきている。